唾液が少なくなったら要注意!ドライマウスとは?
みなさんは食事をしている時になんだか飲み込みづらい、舌がはりついてしゃべりにくい、口が渇いて夜間起きてしまう、といった症状はありませんか?
もしかすると、ドライマウスかもしれません。ドライアイなんかはよく耳にしたことはあるのではないでしょうか。ドライマウスは口腔乾燥を意味します。
先ほどあげた症状以外にも、乾燥しすぎてぴりぴりとした痛みを生じることや、口臭に関係している場合もあります。原因としては更年期などでホルモンバランスの変化や、持病のためお薬を飲んでいる場合は薬の副作用、他にはシェーグレン症候群という自己免疫疾患による可能性もあります。薬をいくつか増えたらお口が乾燥する症状がでてきた場合は、主治医の先生と薬の変更が可能か相談してみて下さい。シェーグレン症候群の場合はドライマウスだけでなく、ドライアイなど、そのほか様々な症状も認められます。いくつか気になる症状があった場合は大きい病院で検査が必要です。
また口呼吸が原因でドライマウスになる場合もあります。口呼吸は鼻が原因で鼻呼吸ができずに口呼吸になるケースと、鼻は問題なくても口呼吸が癖になってしまっている場合もあります。鼻が原因で口呼吸の方は耳鼻科に行って原因を解決して口呼吸を治しましょう。癖になっている場合はしっかりと意識をして鼻呼吸に持っていきましょう。口呼吸は百害あって一利なしです。
ドライマウスにはどのような問題があるのでしょう。一つは口の中が乾燥することで虫歯や歯周病になりやすくなります。唾液には抗菌作用や自浄作用があるので唾液の量が少なくなると虫歯や歯周病になりやすくなるのはこういったことからです。また嚥下がしにくくなり誤嚥性肺炎の原因にもなります。
さて、ドライマウスの基本的な対策としては、やはりこまめに水分補給をする、ご飯を食べるときはよく噛んでものを食べる、そして唾液腺マッサージがあります。唾液腺は耳の下から頬にかけてある耳下腺という一番おおきな唾液を出す器官や、顎の下のところには顎下腺、舌下腺というそのほかの器官があります。それぞれのところを痛みがない程度にぐっと押すと唾液が出てきやすいです。
他の方法として最近TVや雑誌でも取り上げられているのが、うまみを利用して唾液の分泌を高める方法が取り上げられています。唾液をたくさん出す、で連想されるのはレモンや梅干しといった酸味だと思います。しかし、このうまみを利用した唾液腺の刺激について研究されている笹野高嗣先生によると、酸味の場合は短時間での唾液の分泌には効果的ではあるものの、長く継続しないそうです。
これ以外ではガムをよく噛んで唾液を出す方法もあります。ただしガムは砂糖が含まれているものだと虫歯になりやすくなるので、できたらキシリトールガムの方が良いでしょう。あとは手が乾燥したときにハンドクリームを塗るように口腔内に使う保湿のジェルもあります。こういったものをうまく利用して口の中の潤いを維持しましょう。
まとめ
ドライマウスは根本的な治療が難しく基本的には対症療法になります。こまめに水分を取ったり保湿ジェルを使ったり唾液腺マッサージをしたりと大変だと思います。しかし乾燥したままにしておくと虫歯や歯周病などになりやすくなるのでこまめな歯科健診が必要になってきます。ドライマウスは歯科健診で発見されることも多いですし内科的な疾患が隠されている場合もありますので口の中が乾燥してお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
左京山歯科クリニックでは全身疾患にも精通している口腔外科の先生も3名いますのでお気軽にご相談下さい。