指しゃぶりを放置していて大丈夫?指しゃぶりがもたらす悪影響とは?
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニック院長の宮崎です。昨年は緑区歯科医師会で3歳児健診に10回以上出て健診を行ってきました。3歳児健診で1番多いチェック事項はなんだと思いますか?
虫歯?と思う人が多いと思いますが実は違います。つい先日も3歳児健診に出て40名近くの子供を見ましたが虫歯の子はなんと0人でした。実は1番多いチェック事項はなんと歯並びの異常、特に多いのは上顎前突なのです。そして3歳児の上顎前突の原因はほぼ確実に指しゃぶりです。
上顎前突の子で指しゃぶりをしてませんかと親御さんに聞くとほぼ100%指しゃぶりををしていますと答えます。3歳児健診ではゆっくりと説明する時間はあまりないので、指しゃぶりをやめてもらう冊子で簡単に説明してそれをお渡して、かかりつけ医で診てもらうように促して終わりになります。
指しゃぶりをがもたらす悪影響とは?
3歳になっても指しゃぶりをしているとほぼ確実に上顎前突(出っ歯)になります。
上顎前突だと前歯が出ているので、
①食べ物を嚙み切りにくくなる
②口がつむりにくくなり口呼吸になりやすい
③口の中が乾燥して虫歯や口臭の原因になる
④口唇の形が変わってくる
等があります。
指しゃぶりはいつやめさせるのがいいのか?
指しゃぶりは2歳前後までは特に問題ないと思われます。この時期は口の中に指やおもちゃなどを入れて離乳食を食べるための準備をしています。ですので2歳前後で指しゃぶりはそこまで神経質にならなくて大丈夫でしょう。
ただし2歳半くらいになり歯が生えそろってきてからも指しゃぶりをしていると上顎前突になる可能性が高くなります。指しゃぶりは離乳食を食べ始める準備という役割がありますがそれ以外に寂しかったり手持ち無沙汰でついつい指を口の中に入れているとどうなるでしょう?
指しゃぶりが離乳食の準備ではなくてただ単に癖になってしまうのです。この癖がとてもやっかいなのです。
指しゃぶりはどうやったらやめさせることができるの?
結論から言いましょう。これは親御さんの指しゃぶりをやめさせたいという本気度合いと根気です。
指しゃぶりをやめさせられない大きな原因は親御さんの指しゃぶりの認識です。指しゃぶりをやめさせたいと思っていても、「まあ指しゃぶりくらい大丈夫。そのうち自然に治るでしょ」という甘い認識ではなかなか指しゃぶりは治りません。
なぜなら3歳くらいの指しゃぶりはすでに癖になっているからです。癖とはなんでしょう?調べてみると
「偏って多いほどの(普通でない)仕方を繰り返して、ついた習慣。習慣となっている、偏った傾向・しぐさ。」とあります。
指しゃぶりの場合は何か理由があって行っている場合は問題ないと思います。しかし意味も無く無意識で指しゃぶりが行われていてさらに歯並びにまで影響が出ているとそれは癖ではなく、悪癖や悪習癖と言います。つまりその癖を行っていることで身体などに悪影響が出るのです。
例えばお子様が食事中に頬杖をついて姿勢悪く毎日食事をしていたらどうしますか??
毎日こんな姿勢で食事していたら何らかしら悪影響が出ますよね。そして親御さんも絶対に辞めさせる努力をすると思います。
しかし指しゃぶりに関しては先ほど説明したように親御さんのやめさせたい本気度が薄い気がします。そして癖をやめさせるためには親御さんのやめさせる本気度が高いのが重要になってきます。なぜなら子供は癖になってしまい自分ではコントロールできず無意識にやっているのでやめられません。だから親御さんの本気で指しゃぶりをやめさせる努力と根気が必要です。
指しゃぶりをやめさせる方法
色々方法はありますが1番は指しゃぶりが駄目という事を子供に分からせることです。とにかく指を口に持っていったら離すのを徹底します。
私も子供が3人いますが1歳頃は指を口に持っていってしまうことは多々ありました。しかしその度に指を離して軽くはたいたりし指しゃぶりが駄目という事を根気強く覚えさせました。なぜうちの子が指しゃぶりをしなかったかというと
癖になる前に指を口に入れるのは駄目という事を覚えさせたからです。
ですのでまだ癖になってないお子さんはとにかく指を口に持っていったら離して下さい。3歳までに指しゃぶりをやめることができれば歯並びは元に戻る可能性もあります。
指しゃぶりをやめさせるためには??
1:やめた方がいい理由を子供にもよく説明する
2:頑張ったら誉める
3:子供の努力を形に表して記録させる(カレンダーにシールなどを貼る)
4:目標は徐々に高くする
5:ご褒美を事前に教えておく(お金をあまりかけなくても日常生活の中で子供が喜びそうなものを工夫する方が長続きする)
6:小物を利用して指をしゃぶりにくくする(手袋やソックスを利用して指しゃぶりができないようにする)
7:歯科医院に行って先生に指しゃぶりをしないように言ってもらう
やめさせるときのお母さんの役割について
・指しゃぶりに対して真剣に取り組む
・指しゃぶりがしにくくなる生活環境作り、外で多く遊ぶ、TVなどぼーっと見てると指しゃぶりしやすい。
・たくさん誉める
・スキンシップを図る
・家族の協力を求める、母親だけではやめさえるのは難しい
・精神的な支えになる
・口うるさく言い過ぎない
乳歯列期の指しゃぶりによる上顎前突
永久歯が生えるまで指しゃぶりをしていると
皆さんこれを見ていかがですか?ずっと指しゃぶりをしているとこのように前歯が全く嚙まずにものすごいかみ合わせになってしまいます。この子は7歳まで指しゃぶりをしていましたが小学校に入りさすがに指しゃぶりはやめてかみ合わせはある程度は良くなりました。
おすすめの本
指しゃぶりをやめさせるのにいい絵本があります。まだお子さんが小さい場合はこの絵本を読み聞かせに使用してはいかがでしょうか??名古屋市緑区の左京山歯科クリニックでもこの絵本を使って指しゃぶりをやめるように説明します。
まとめ
指しゃぶりをが癖になってからやめさせるのは時間と労力がとてもかかります。指しゃぶりの悪影響を理解してできれば癖になる前にやめさせましょう。3歳児健診でも指しゃぶりは本当に多いですが親御さんの反応はいまいちです。本当はもう少し危機感を持って本気でやめさせて欲しいと思います。自分の可愛い子供が出っ歯になっていいですか?出っ歯になったら今度は矯正治療になり費用と時間がかかります。ぜひ可愛い子供のためにも親御さんがしっかりと指しゃぶりが癖にならないように早めにやめさせてあげて下さいね。歯科医院でも癖をやめさせるアドバイスはできますが実際にはご家庭で実践を継続して頂かないといけません。
子供の歯並びでお悩みの方は名古屋市緑区の左京山歯科クリニックまでご相談下さい。