親知らずは何故痛みが発生する?応急処置はどうすればいい?
こんにちは、左京山歯科・矯正歯科クリニックの院長の宮崎です。
しかし、これはあくまで一時的なものなので痛みが和らいだからといって放置することがないようにしましょう。
親知らずは斜めに生えやすく痛みが出やすい
そもそも親知らずとは、大臼歯という大人の奥歯の最後尾に位置し、上下左右に1本ずつ4本ある歯です。
第三大臼歯が正式な名称ですが、18歳〜20歳過ぎくらいに生えてくることから、一般的には親知らず(親が知ることなく生える歯)や智歯(一人前の分別がつく年頃に生える歯)と呼ばれます。
親知らずは、もともと1本もない方や4本揃っていない方、4本すべて生えている方など個人差があります。
中には生えてくるスペースが不足していたり、生える方向が真っ直ぐでなかったりして正常に生えて機能しないこともあるため、痛みやトラブルも生じやすく抜歯が必要になるケースも多いでしょう。
親知らずが生えてくるときに痛む原因
親知らずは、生えてくる際にさまざまな理由で痛みや違和感、腫れを生じることがあります。応急処置や対処法を知る前に、まずは痛みの原因を知っておきましょう。
親知らずが隣の歯や歯茎を押している
親知らずは、生えてくるときに奥の歯茎を突き破って出てきます。そのときに歯茎が押されたり歯茎が開いたりすることで、痛みを感じます。
親知らずが真っ直ぐ生えていてスペースも十分に確保できている場合は、しばらくすると痛みはなくなりますが、
横や斜めに生えている場合やスペースが足りない場合は、親知らずが隣の歯や歯茎を押してしまい痛みが長期間続く恐れもあるでしょう。
歯と歯茎の隙間に汚れがたまっている
親知らずが横や斜めに生えてしまうと、歯と歯茎の間にわずかな隙間ができます。その隙間に食べかすが押し込まれて蓄積すると、歯茎を圧迫して痛みが生じることもあります。
また、歯と歯茎の隙間には、食べかすだけでなく汚れも溜まりやすいです。そこから細菌が繁殖すると、炎症によって歯茎が腫れる「智歯周囲炎」になることがあります。
智歯周囲炎は、親知らずで頬が腫れた、口が開けられないなどの原因である可能性が高いです。歯と歯茎の隙間に食べかすや汚れが詰まっていると、虫歯にもなりやすくなります。歯磨きもしにくく、隣り合う歯まで虫歯になるリスクが高くなるため、早めに対処しなければいけません。
歯茎を噛んでいる
親知らずが真っ直ぐに生えず横や斜めに生えてきて頬の粘膜を刺激したり、噛み合う親知らずが生えておらず向かいの歯茎を噛んでしまったりしている場合、口内炎ができて痛みが生じる可能性があります。
智歯周囲炎で歯茎が腫れている場合などは、噛むたびに歯茎や頬の肉を巻き込んで歯茎が腫れ上がってしまい、ますます腫れがひどくなるという悪循環になりかねません。
親知らずが生えかけで痛いときの応急処置
親知らずは、口の中の状態や生え方によっては痛みや炎症が起こりやすい歯です。ときには歯茎が腫れて強い痛みを感じたり、食事すらままならなかったりと、日常生活に支障が出ることもあります。
ここでは、生えかけの親知らずが痛むときに自分で手軽にできる応急処置の方法をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
優しく歯磨きをする
親知らずが生えかけの状態で痛む場合、歯と歯茎の隙間に詰まった食べかすや汚れを除去することが重要です。細菌が繁殖しにくい環境にするためにも、念入りに歯磨きをしましょう。
ただしここで重要なのが、やわらかい歯ブラシを使用して優しく丁寧に歯を磨くことです。
痛みが出るほど炎症が強いときに硬い歯ブラシで力を入れて磨いてしまうと、逆に痛みを増幅させてしまいます。ブラッシングの際は、歯ブラシを歯列に対して斜め45度程度の角度で当て、小刻みに歯ブラシを動かすようにしましょう。
また、ヘッドが小さな歯ブラシを選ぶと、親知らずの奥まで届きやすくなります。磨きにくいときはタフトブラシを使うのもおすすめです。
親知らずはもちろん、隣り合う歯もしっかりと丁寧に磨き、仕上げにフロスや歯間ブラシで歯と歯の間の汚れも落としましょう。
市販の鎮痛剤を服用
親知らずに限らず、歯の痛みは時と場所を選ばず突然生じます。
すぐに歯科医院を受診できない中、ただただ痛みを我慢するのは非常につらいもの。仕事や予定で忙しくて時間がないときや、夜中、旅行先などで急に生えかけの親知らずが痛み出した場合、市販の鎮痛剤を服用するのもひとつの方法です。
鎮痛剤を服用する際のポイントは、痛みが我慢できなくなる前に飲むことです。親知らずの痛みは、強くなったり弱くなったりするため、少し痛みが治まったからといって安心せず、早めに服用するようにしましょう。
ただし、智歯周囲炎がひどくなって痛みが生じている場合は、抗菌剤で細菌感染を抑えなければ症状を緩和できない可能性があります。
早めに歯科医院で対処しましょう
上記でご紹介した応急処置は、あくまでも一時的に痛みを和らげられる可能性がある方法です。痛みや腫れが引いたとしても、そのまま放置せず、できるだけ早めに歯科医院を受診し、適切な処置を受けることをおすすめします。
当院には日本口腔外科学会認定医がおりますので親知らずでお困りの方はご相談下さい