セレックとは?
「セレック」とは、コンピューター制御によって詰め物・被せ物といった歯の修復物を設計・作製することができるCAD/CAMシステムです。3D光学カメラを使用して患部を多角的に撮影し、コンピューターの3D画面上で修復物の設計を行います。そのデータをもとにミリングマシンと呼ばれる自動切削機でセラミックブロックを削り出すことで、精密な詰め物や被せ物ができあがります。
歯科技工所に依頼することなく院内で修復物を作製できるため、白い歯を低価格で、短期間で手に入れることができるのです。
最大のメリットは歯科技工所に出さないことです。どうしても人件費や技工代がかかってきますのでセラミックインレーは比較的高い治療になります。しかしこの人件費、つまり技工料がかからないことで比較的安価でセラミックの詰め物やかぶせ物を提供できます。
もう一つのメリットはセレックで使用するブロックはエナメル質と硬さが近いということです。保険の金属は硬すぎるので同じようにすり減ってくれません。セラミックもちょっと硬すぎるのです。しかしセレックのブロックはエナメル質と硬さが近いので歯とのなじみもいいのです。
デメリットはしっかりと歯科技工士さんが作ったセラミックの詰め物やかぶせ物に適合ではかないません。しかし保険のかぶせ物や詰め物を歯につけるときに使うセメントとは全く違うレジンセメントというものを使います。金属とセメントは厳密に言うと強く引っかかっているだけで接着しているわけではありません。その点レジンセメントを使うことでセラミックと歯がしっかりと接着して一体化してより強固になり虫歯にもなりにくくなります。今はこの接着技術がものすごく進化してきたのでレジンセメントを使うことで虫歯にもなりにくくなりました。しかし保険の金属にはレジンセメントは使うことができないので一度治療したところが再度虫歯にもなりやすいのです。
セラック治療をおすすめの方とは?
今入っている銀の金属の詰め物や被せ物をなるべく安く白いものに変えたい方は非常にオススメです。左京山歯科クリニックではセレックのインレー(小さい詰め物)は21600円、セレックのクラウン(かぶせ物)は43200円です。技工士さんの作ったセラミックのインレーやクラウンの半分程度の費用で白いものにすることができます。
なるべく早く詰め物やかぶせ物を入れたい方もおすすめです。仕事や育児など忙しい方は大勢いると思います。まさにタイムイズマネーです。技工士さんがセラミックの詰め物やかぶせ物を作る場合はどうしても時間がかかります。最低1週間、上手な腕のいい技工士さんの場合は間が2週間あくこともあります。しかしセレック治療の場合はそこまで時間がかかりません。当院では原則として1dayトリートメントはやっていませんが急ぎの方の場合は1週間かからなくても詰め物などを入れることができます。お急ぎの方はセレックの治療が向いています。
セレック治療があまりおすすめできない方とは?
審美性や適合性を重視する方はあまりセレックの治療はおすすめできません。どうしても審美性や適合性は歯科技工士さんが作るものにはまだかないません。セレックはセラミックのブロックを削り出して作ります。ブロックはある程度の色はありますがどうしても単色でしか作ることができません。歯は単一の色ではなく部分部分で色が違います。技工士さんが作る場合はセラミックに細かいグラデーションをつけます。さらに写真を撮ったりして天然の歯に近づくように作ります。ですので天然の歯と全く同じようにしたい方や前歯の治療などにはセレックでは満足できないでしょう。
審美性
技工士さんの作るセラミック>セレック>保険の銀の詰め物、かぶせ物
適合性、虫歯のなりにくさ
技工士さんの作るセラミック>セレック>保険の銀の詰め物、かぶせ物
最近はアレルギーの人も増えてきています。保険の銀の詰め物やかぶせ物も金属アレルギーの成分が含まれており勝手に入れると後で手足に発疹が出てきて困っている方もいます。金属アレルギーがなくても他にアレルギーがある場合はセレックを検討されてはいかがでしょうか?
今後もこのCAD/CAM(3Dプリンターのようなもの)の技術は伸びていく分野でしょう。今は入れ歯もCADで作ることができるみたいです。うまくセレックを利用していい歯科治療が提供できればと考えています。