歯の治療をすると歯が弱くなるって本当!?
さて皆さん、歯医者さんで歯を治すと言いますけど本当には治ってないって知ってますか??治るを辞書で引くと、病気や怪我が良くなって元の健康な状態に戻ると書いてあります。
すなわち、怪我が治る、骨折が治るなど医療用語で治るとは元どおりに再生することを意味します。実際に転んで怪我したり骨折した部分は日にちが経てば元どおりに治ります。
しかし歯科治療はどうでしょうか?虫歯で削った部分が元どおりに再生するでしょうか??元と同じ状態に戻るでしょうか??違いますよね。樹脂や金属で削った部分を修復しているのです。ですので虫歯で歯を削った部分は修復処置なのです。歯周病も治りません。一度失った歯槽骨は元どおりにはなりません。
歯科治療でも削って魔法の薬を塗って歯がモコモコ再生してくるのであれば治ります。しかし、現在の医療技術ではまだまだ歯の再生は不可能なのです。あれ?京都大学の山中伸弥教授の開発したips細胞で再生しないの?いろいろ角膜とか皮膚とか再生してない?と思われる方もいるでしょうが、現在単一の組織の再生は比較的簡単です。歯科の分野でも歯槽骨の再生療法はあります。しかし、複数の組織が集まった臓器の再生はまだまだ無理です。歯もエナメル質、象牙質、歯髄、セメント質などが複合した組織です。ですので歯の再生はまだまだ夢の話です。ですので一般的な歯科治療は治るのではなくて修復していると思ってください。
ということは歯は削っても再生しないので削れば削るだけ歯質は少なくなっていきます。つまり治療をすればするほど歯は弱くなり抜歯に近づいていくのです。1本の歯は生涯5〜6回しか治療はできません。歯は有限なのです。ですので、1回目の治療を小学生くらいでしてしまったらその歯はどうなるでしょうか?しかも1度削った歯は虫歯になりやすくなります。どんなに精密に作っても神様が作った歯にはかないません。ブラッシングが悪ければまた詰めた下で虫歯になります。
保険の銀の詰め物に使うセメントは少しづつ溶けていくので7〜8年程度で取れることもあります。1番大切なのは虫歯を放置するという意味ではなくて、なるべく虫歯治療をしないお口の環境作りなのです。
30歳くらいで何本も虫歯治療がしてあったり神経を取ってる人と初めて虫歯になったけど小さい樹脂を詰めるだけの人。どちらが歯の寿命が長いでしょうか??
歯の治療をすればするほど歯が弱くなるは本当です。1度削る治療をすればまた虫歯になるリスクがあります。大事なのは虫歯や歯周病にならないお口の環境作りです。だから左京山歯科クリニックではブラッシング指導を重視します。どんな方でもまずは口腔内を説明してブラッシングの重要性を説明し必要があればブラッシング指導をします。
歯医者さんで虫歯を治療してあ〜大変だったけど終わった〜ではなく、そこからがまたスタートなのです。すなわち1回治療した部分を虫歯にしないこと、治療の介入を少なくすることが大切です。
事実左京山歯科クリニックでも3ヶ月に1度の検診とクリーニングを受けている人は悪くなってから来院する人よりも明らかに悪くなるスピードが遅いと思います。歯は一生ものの財産です。歯を失ってインプラントにしたら1本40万近くになります。10本失ったら400万です。歯を残すことは財産です。大事な歯を弱くしないように極力治療しなくてすむようにしましょう。