知っておきたい虫歯のステージ別治療法とは!? CO、C1ステージ
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。
歯医者さんに来る方の半分以上は虫歯治療で来る方です。でも虫歯と一口に言っても虫歯にはステージがありそれぞれ治療方法が異なります。
虫歯治療というのはお医者さんの体の治療とはちょっと違っていて全く再生しない組織の治療になります。つまり私たち歯科医師は歯の治療をしていますが治しているのではなく、人工物で修復しているだけなのです。
なんだ、でもそんな言葉の意味が違うくらいたいしたことじゃないんじゃないと思う方も多いと思いすが、実はこれはものすごく大切なことなのです。治るというのは元どおりに再生すること。つまり虫歯治療で一度削った歯は二度と元に戻りません。ですので同じ歯の治療を何回もするとどんどん歯がなくなりいつかは治療することができなくて抜歯になるのです。同じ歯は5〜6回の治療が限度なのです。
ただ削って詰めるだけでは原因を解決してないのでまた再び虫歯になりまた削って詰めたりかぶせたりする。この繰り返しで抜歯になります。
この事実を知らないことで歯医者に行って削って詰めてを繰り返してしまい50歳頃から入れ歯になるパターンが多いのでしょう。
歯科医師がどのような基準で虫歯治療を行うかを今回はしっかりと説明していきたいと思います。
CO:初期虫歯
これはCゼロではなくてCオーカリエスオブザベーションの略で経過観察歯のことを言います。具体的にはまだ欠損はなく歯の表面が白濁、つまりチョークのように白く濁った状態です。
歯の脱灰と再石灰化のバランスが崩れて脱灰の方が進んだ状態になり歯の表面が粗造になってます。
治療法は?
この状態は決して削らずに経過を見ていきます。フッ素や再石灰化を促進させるリカルデントなどを使いこの状態をキープするのが治療になります。
C1:エナメル質う蝕
歯のエナメル質に限局した虫歯です。まだ症状はなく黒い点や歯の溝が黒くなった状態です。
治療法は?
これもCOとほぼ同じです。基本的に経過観察します。フッ素やリカルデントを用いて進行を抑えます。明らかにエナメル質を超えて象牙質に到達した虫歯や症状がある歯については治療はしますが経過を見ていくことが大事なのです。
CO,C1のまとめ
日本の保険制度は病気に対して保険がおります。つまり削って詰める治療をした方が儲かるのです。実は削らなくていい虫歯まで削っている場合も日本では多々あるでしょう。歯科医院での虫歯治療の大人の治療の大半は一度治療してある歯の再治療がほとんどなのです。
つまり一度削ってしまった歯はもう虫歯治療のサイクルに入ってしまい、治療→虫歯→治療→虫歯の繰り返しになりいつか歯がなくなってしまいます。いくらセラミックの詰め物を入れても自分の歯にはかないません。
CO,C1についてはきちんと経過観察をして本当に削らなくならないといけなくなってから治療すべきなのです。初期の虫歯では口の中の環境をよくしてあげることで虫歯の進行はかなり抑えられます。ですので若い年齢でちょっと黒いから削ってしまっては歯がもったいないのです。もしかしたらその黒い点はまだ何十年もそのままかもしれないのです。削ってしまうことで詰め物の下での虫歯を誘発したりすることもあります。
歯科医師の治療は削って詰めることではなくて、いかに虫歯をできないような口腔内環境を作るかが大切です。安易に歯を削って詰めるのではなく、なぜ虫歯ができたのかをまず患者さんと一緒に考え、その原因に対して対策を講じ、そして治療すべき時に適切な治療をすることが大切なのです。
まだ症状が出てないCO、C1は特にしっかり相談して予防プログラムを立てていきましょう。安易に削るのだけはオススメしません。