こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。
歯の神経を取ると徐々に歯の色が茶色く変わっていきます。なぜかというと歯の歯髄という栄養組織を取ってしまうため歯が死んでしまうのです。そのため歯としては機能するけど生きていないため、少しずつ歯の白さが保つことができなくなり歯の色が茶色くなってきます。専門用語で神経を取った歯を失活歯、神経がある歯を生活歯といいます。
個人差はありますが5年〜10年位経つと変色してきます。とあるお笑い芸人の方が一時期自分の歯の色をネタとしてやってましたよね。「歯の神経を取って色が変わってしまった」と。神経を取った歯だから色が黒くなってしまったと。その方は現在はセラミックの歯をかぶせてきれいにしてますが、けっこう目立ってたのは皆さんの覚えていると思います。
神経を取った歯は、通常のホームホワイトニングもオフィスホワイトニングもその両方をやるデュアルホワイトニングも効果はありません。なぜならホワイトニングは神経がある生活歯にしか効果がないのです。そのためセラミックの高価な歯をかぶせて治すこともありますが、なんとセラミックをかぶせなくても治す方法があるのです!!
これはどちらが神経を取った歯か皆さんわかりますか??実は画面の右側の歯が神経を取った歯なのです。この患者さんも神経を取って色が悪くて悩まれてましたがウォーキングブリーチという方法でなんと1日で白くなったのです。しかも処置を行った次の日の朝には白くなったと実感し、逆にこのまま白くなりすぎたらどうしようと心配してたそうです。ちょうどうまい具合に左右で同じ白さになったのでこの方はこれで終了です。
歯を白くする方法を簡単に説明しますと、歯の裏側に神経を取るために開けた穴があります。通常はコンポジットレジンという樹脂で封鎖してありますがそれを削って歯の中にアクセスします。そこから薬剤を入れて完全密閉、そうすると薬剤の作用で歯の内部から着色を分解し、歯が白くなるのです。
このウォーキングブリーチの良い所は「歯をほとんど削らないこと」です。すでに削って埋めてある樹脂をとるだけなので新たに歯をけずることはありません。ですのでたくさん歯を削ってセラミックをかぶせなくてもいいのです。
もう一つのメリットは費用が非常に安いこと。左京山歯科クリニックでは1回¥3,240で行いますので、着色の程度が薄い人だと1回で終わります。ものすごく濃い人は2〜3回行う場合もありますが、それでも1万ちょっとです。セラミックのかぶせものだとだいたい10万近くする場合も多いのでそれにくらべれば非常にリーズナブルといえます。
反対にデメリットは「色の調整が難しいこと」です。隣の歯と全く同じ白さ、というわけには行きません。あくまで着色を除去するのでセラミックのかぶせのように色を合わせるのは難しいでしょう。この患者さんの場合はうまく隣の歯と色が合ったケースだと思います。
もう一つのデメリットは「また年数が経つと色が変わってくること」です。しかしこれは仕方が無いと思います。色が変わったらまたウォーキングブリーチをしてあげればいいと思います。
どうしてもだめになったらセラミックの歯をかぶせても遅くはないでしょう。
誤解されている方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、セラミックの歯にしても、かぶせたら一生やり変えなくていいということはありません。
10〜15年くらいすると歯茎の状態が変わってきたりして、もう一度やり変えないといけないこともあります。やりかえる時にはまた歯を削るので、あまり何回もやりかえることはできません。歯がなくなってしまいます。ですので被せものを入れたらやりかえることも考えなければいけませんので、かぶせる時期を遅らせるのはとても大切なことなのです。
神経を取った歯の色の改善はホワイトニングではできないのです。
皆さんの大切な歯を守るためにも、セラミックの歯をかぶせる前にウォーキングブリーチが可能かどうか一度歯科医院でご相談下さいね。
監修者情報
名古屋市緑区のみどり区 左京山歯科・矯正歯科クリニックで院長を務める宮崎裕基です。当院は歯の機能の改善と口元の美しさを両立させる審美治療を中心に、お口全体の健康を包括的に守るフルマウス治療を推奨しています。いつも患者さんに精度の高い安心の治療をご提供できるように、常に技術の向上に努めています。そのためにも、歯科用CTなど新しい設備の導入は欠かせません。
私たちはカウンセリングを大切にし、そこで患者さんの本当のご要望を引き出すことが「ご満足いただける治療」につながると考えています。お口のお悩みがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
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