永久歯がない!!慌てる前に対策を立てておこう
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。
皆さんは永久歯はあって当たり前。乳歯が抜けたら永久歯が必ず生えてくると思ってますよね?
ほとんどの方は乳歯が抜ければ永久歯が生えてきます。しかし中には先天欠損と言って永久歯が元からないという方もいます。え~でもそれって何千人に一人とかものすごい確率なんでしょ?と思わる方がほとんどだと思いますが、実は先天欠損の確立って結構高いんです。
日本小児歯科学会が7歳以上の子を15000人調べたところ先天欠損があった子はなんと10人に一人だそうです。10人に一人ですよ。結構な確率ですよね。
僕が歯科医師になった10数年前と比べても最近は多くなってきたように感じられますし、日常の診療でもちょこちょこ大人の人でも永久歯が先天欠損で乳歯が残っている方を見かけます。全然珍しいことではなくて比較的多いと思います。
だからうちの子は大丈夫と思っていてもいざレントゲンを撮ったら永久歯がないってことはたまにあります。
今日は永久歯がなかった場合について対策を説明したいと思います。
6歳前後でパノラマレントゲンを撮影しよう
実は先天欠損で比較的多いのはほとんど2番目と5番目の歯なんです。永久歯があるかないかはレントゲンでしか分かりません。ですのでだいたい6歳前後で必ずレントゲンを撮影しましょう。先天欠損は早く分かればそれだけ対策ができます。しかも乳歯を虫歯にしてしまうとずっと使わなければいけない乳歯の寿命が縮みます。まずは必ずレントゲン写真で永久歯の歯の数を調べましょう。
乳歯の虫歯だからといって放置しない。
乳歯だからそのうち生え変わるし治療しなくてもいっか〜と思ってる人もいるかもしれません。しかしその大人の歯がなかったらどうしますか??10人に一人は先天欠損がある可能性があるのです。永久歯がない場合はずっと乳歯を使わなければいけません。もし虫歯が大きくなってしまうとずっと使う乳歯が早期にだめになってしまいます。乳歯は永久歯に比べると虫歯になりやすいので管理が非常に難しいのです。乳歯だからといって虫歯治療しないのはNGです。しっかりと治療しましょう。
乳歯が抜けた時の対応をしっかりと考えておく
これが1番大事になってきます。乳歯はいつか必ず抜けます。20代で抜ける方もいれば40代まで持つ方もいますが遅かれ早かれ乳歯は抜けます。永久歯よりも長持ちする乳歯はまずないといっていいでしょう。どうしても根が短く少しずつ根が吸収していきます。もって40代まででしょうか。では乳歯が抜けたあとはどうなるの?というと乳歯が抜けた分隙間ができます。この隙間を埋めないといけません。隙間が空いた状態だと周りの歯が傾いてきてかみ合わせに異常をきたします。
乳歯が抜けたあとの治療法とは
ブリッジ治療
一般的に保険診療でも対応できる治療法、抜けた前後の歯を削ってかぶせもので橋渡しをする治療です。メリットは保険適応の治療。デメリットは虫歯でない歯でも削る。保険だと一般的には銀の金属を使用するなどです。健康な歯を削ってしまうのが1番デメリットでしょうか。
矯正治療
もともと歯並びが悪くてガタガタな場合などは矯正治療でその隙間を利用して歯並びを治すことができるかもしれません。歯並び治療を考えていた方は乳歯が抜けたのを機に考えてみてもいいでしょう。
インプラント治療
保険外の治療になります。抜けた部分にチタン製のボルトを入れて歯を作ります。最大のメリットはブリッジと違って両サイドの歯を削らずに済むことです。デメリットは完全に保険外の診療になることと、20歳未満の方にはインプラント治療はできないということです。
まとめ
永久歯の先天欠損は珍しいことではありません。僕も子供が3人いますがもしかすると永久歯がない子もいるかもしれません。大事なのは早めに永久歯がないことを分かっておくこと、虫歯にしないこと、そして永久歯が抜けた時にどの治療を選択するかを事前に考えておくことが大切です。
インプラント治療も矯正治療も自費診療で比較的費用がかかります。いきなり乳歯が抜けてから治療費を捻出するのは大変なこともあります。しかしあらかじめ矯正やインプラントを想定しておけば貯金などもできます。何も考えていないとどうしよっかな~とずっと悩んでる間に奥の歯が傾いてきてブリッジもインプラントもできなくなることもあります。さらに抜けたままにしておくと骨も萎縮してきてインプラントもしにくくなります。
永久歯がない人は身近にもいますし自分の子供も永久歯がないこともあるかもしれません。ないとわかった時点で将来のことを考えておきましょう。