睡眠時無呼吸症候群
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニック院長の宮崎です。
睡眠時無呼吸症候群という病名は聞いたことありますよね?? 寝ている間に呼吸が止まってしまう状態に頻繁になる場合に付けられる病名です。 呼吸が止まってしまうと血圧が上がり心臓などに負担がかかりそれに伴う他の病気の引き金にもなったりしますし、しっかりと睡眠がとれないので日中に眠気が生じ事故などを起こす場合もある恐ろしい病気です。
昨今は睡眠時間だけでなく良質な睡眠得るためにマットレスや枕などかなり高価なものも増えてます、そして睡眠外来などの医療機関もでてきて睡眠が注目を浴びています。 そんな中、睡眠時無呼吸症候群の治療のひとつに口腔内装置(OA)があります。 今回はこの睡眠時無呼吸症候群の治療で用いる口腔内装置(OA)について説明したいと思います。
睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置(OA)は保険適応
口腔内装置(OA)は保険適応になり3割負担で治療を受けることができます。しかし大事なことがあります、それは歯科医院に来て睡眠時無呼吸症候群のマウスピースを作ってくださいと言ってもダメということです。この場合は自費診療になります。
どういうことかというと、保険適応になる場合には必ず医師からの紹介状が必要なのです。医師がきちんとPSG検査などをして睡眠時無呼吸症候群の診断をし治療方針として口腔内装置(OA)を用いる事を決めたうえで歯科医師に紹介状を書き歯科医師が制作するのです。歯科医師は医師からの紹介状がない限りは口腔内装置(OA)は作成できませんし保険適応にもなりません。 9 ですのでマウスピースを作成するしないは医師の診断によるので自分の判断でマウスピースを作りたい場合は自費診療になるのです。歯科医師が睡眠時無呼吸症候群の診断を下すこともできません。診断と治療方針はあくまで医師にあるということなのです。
歯科医院ではマウスピースを作る際に何をするのか??
型を取って作るだけでいいのかといえばそれだけなのですがそれ以外にもきちんと歯科医院で調べることがあります。
まず虫歯や歯周病がないかどうか。もし虫歯が多発している場合はまずは虫歯治療が優先になりますし、歯周病がひどい場合はマウスピースを入れると歯が抜けてしまうかもしれません。しっかりと歯周病治療も必要です。
歯の欠損はないか、顎関節症はないか。歯の欠損が多い場合は口腔内装置(OA)が難しい場合がありますし、顎関節症がある場合はマウスピースを装着すると悪化する場合があります。
こういったことを考慮して口腔内装置(OA)が適応かどうか判断して問題ない場合に上下の歯型を取ります。ですので虫歯や歯周病などの診断も必要なため医師はできないので歯科医師に紹介が依頼されるのです。
口腔内装置(OA)とはどういったものか??
簡単に言えば上下一体型マウスピースです。通常歯ぎしりなどの防止に用いるナイトガードなどは上の歯だけにはめるタイプのマウスピースですが、睡眠時無呼吸症候群の治療に用いるマウスピースは上の歯と下の歯両方にはめるタイプのマウスピースなのです。さらに上の歯と下の歯に装着するマウスピースがくっついてる上下一体型の舞うsピースになります。
なぜ上下一体型なのでしょうか??睡眠時無呼吸症候群の防止のためには舌を前方に出して空気の通り道を確保して無呼吸症候群を防ぎます。寝ていると舌が重力の関係で落ち込んでしまい空気の通り道がなくなり無呼吸となってしまうのです。どうすれば舌が落ち込まないかといえば舌を前方に出すのです。そのためには下顎を前方に出すことで舌も一緒に前にいき無呼吸を防げるのです。
ですので口腔内装置(OA)は下顎を前方に出した状態でそれを固定するために上下一体型のマウスピースとなっているのです。口腔内装置(OA)をはめると下顎が出た状態になります。簡単に言うと志村けんのアイーンをした状態になっているのです。 このどれくらい前方に下顎を出した状態にするかも歯科医師の診断が大事になってきます。最大まで前方に出してもダメですしあまり出さないのもダメ、一応最大前方運動の7割程度と言われていますがこれも個人差があるので絶対ではありません。きちんと診断して下顎を前方に出す量を決めるのです。
どこの歯科医院でも口腔内装置(OA)は作成できるのか??
型を取るだけでしたらどこの歯科医院でもできますしただのマウスピースの作成もできると思います。しかし睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置(OA)というと結構専門的な知識がないと難しいと思います。全然睡眠の知識がない歯科医師だとどんなマウスピースかも知らないと思いますし作ったこともないかもしれません。それに医師からの紹介状の専門用語が分からなかったり、作って通常は紹介元の医師に手紙を書いて口腔内装置(OA)の効果を判定してもらうのです。口腔内装置(OA)入れたことによって無呼吸症候群の症状が改善したかどうか診てもらうためです。しかしそういったことを知らない歯科医師の先生だとマウスピースを作成して、はい終わりという場合もあります。大切なのは口腔内装置(OA)を入れてきちんと症状が改善したかどうかが重要なのです。
左京山歯科クリニックで口腔内装置(OA)を作成するメリットは??
左京山歯科クリニックでは院長自身も日本睡眠歯科学会に入って日ごろから勉強をしてますし、非常勤の口腔外科医の古橋先生は日本睡眠歯科学会と医師が主体となっている日本睡眠学会の両方に入っておりさらに、認定医、指導医の資格も持っていてこの東海地区の睡眠歯科の若手のホープの先生なのです。
名古屋市緑区の左京山歯科クリニックではこのように2名の歯科医師が睡眠の事をしっかりと勉強して研鑽してるので口腔内装置(OA)作成に対しても無知ではなくしっかりと効果のあるマウスピースの作成を行うことができるのです。
まとめ
口腔内装置(OA)は睡眠時無呼吸症候群の治療のオプションのひとつです。口腔内装置(OA)だけが治療ではないですし、口腔内装置(OA)が適応でない場合もあります。治療方法の診断は必ず医師が行いますし歯科医師は診断や治療法を提示したりはできません。しかし、しっかりとした睡眠の知識があれば医師と対等に話し合えたり医師からの紹介に的確に対応できます。また医師からの紹介でなく無呼吸症候群の疑いがある方などは歯科医師から医師に紹介して診てもらうこともできるのです。
口腔内装置(OA)はCPAPなどと比べてどこでも持ち運ぶことができて簡便で装着感もよく効果さえでれば非常にいい治療法のひとつです。いびきをかいて寝てる方の3~4割の方は睡眠時無呼吸症候群疑いがあります。また下顎が小さい方も舌の行き場がなく寝てる時に舌が落ち込んで無呼吸症候群になる方もいます。下顎が小さい方などは小児期であれば矯正治療で治すことができ将来の無呼吸症候群の発症の予防にもなり余す。歯科医師が歯だけを見るのでなく口の中全体さらには顎口腔系をしっかりと見ることができれば睡眠の質も高めることもでき病気の予防もできるのです。
これからもしっかりと睡眠の勉強をし、さらにはどこの歯科医院でもきちんとした口腔内装置(OA)を作成できるように口腔外科医の古橋先生や学会の先生ともに口腔内装置(OA)や睡眠と歯科の関係を広めていきたいと思います。