舌癌について
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニック院長の宮崎です。
つい先日タレントの堀ちえみさんが舌癌であることを告白しました。さらにちょっと前にも水泳選手の池江璃花子選手も白血病をツイッターで告白し皆さんも驚かれたと思います。この1か月で有名な方が2人も癌になられたことで皆さんもちょっと気になることかと思いますので歯科医師として舌癌について説明したいと思います。
以前にも口腔癌について書いたブログもあるのでそちらも参考にしてください。
舌癌と口内炎の鑑別は??
よく口内炎を癌じゃないかと心配される方もいますが口内炎と舌癌の違いを説明します。ただしここに書くのはごく一般的なことなので心配な方は必ず歯科医院を受診してください。自分での勝手な診断が一番よくありませんので。
口内炎は痛みが出ます。触れたり食事でも痛いと思いますが舌癌は初期のころは痛みはありません。また口内炎は通常は1~2週間で自然治癒しますが舌癌は1か月以上たっても治癒しません。そして口内炎は触っても固くありませんが舌癌は触るとしこりのような固いものがあります。
こういった違いが口内炎と舌癌にあります。口内炎のようなものができて2週間以上治らなくて痛みがない場合などは1度歯科医院を受診した方がいいでしょう。
舌癌の原因は?
原因は遺伝などもあり様々ですが、リスク要因として挙げられるのは喫煙、飲酒、口腔衛生状態の不良、虫歯の放置や歯が内側に倒れてなどで舌を慢性的に刺激することなどがあげられます。虫歯で穴あいてるから痛くないけどまあいいやと放置しておくと舌や頬に慢性の刺激が加わり細胞が癌化する場合もあるのです。 昔テレビの「たけしの家庭の医学」で虫歯で死ぬという衝撃的な話がありましたがまさに虫歯を放置して刺激で舌癌になりなくなったという話でした。 常に舌や頬に歯が当たる場合は歯科医院を受診して丸めてもらいましょう。
粘膜疾患の鑑別は?
通常歯科医院に舌や頬などの粘膜の病気の疑いがある場合はしっかりと症状を聞いてカメラで病変を撮影します。通常はレントゲンでは柔らかい組織の粘膜は写りませんのでカメラで撮影します。そして2週間後以降に来てもらい状態をチェックします。1か月たっても変わらない場合は大学病院などの口腔外科に紹介状を送り精密検査をしてもらいます。
名古屋市緑区の左京山歯科クリニックでは非常勤で愛知医科大学の口腔外科の歯科医師がいますので粘膜病変の場合はまず彼に写真をみてもらい判断してもらい直接診断が必要な場合は口腔外科の歯科医師が診断しこれは精密検査が必要と判断したら大学病院に紹介します。
まとめ
堀ちえみさんの公表があり先週はかなり問い合わせが多くありました。皆さん口の中に興味を持ち気になるようです。大切なのは歯だけでなく舌もしっかりと鏡などでチェックすることです。歯磨きだけでなく舌も専用の舌ブラシで磨いた方が口臭の予防にもなります。そして異常があればまずはかかりつけの歯科医院で診てもらいましょう。舌癌は自分でも発見できる数少ない癌です。常日頃口の中に気を使っていれば分かることもありますし、かかりつけ歯科医で定期検診を受けることで早期発見もできます。しっかりと口腔衛生をいい状態に保ち歯周病や虫歯の予防に加えて癌も予防しましょう。