意外と知らない歯ぎしりによる悪影響
こんにちは、左京山歯科・矯正歯科クリニックの院長の宮崎です。
歯ぎしりはよくないというイメージを持っている方は多いと思います。
ですが、歯ぎしりをすることでどのような悪影響があるのか具体的にご存知の方は意外と少ないものです。
今回は、歯ぎしりが歯と体に及ぼす影響についてお伝えしたいと思います。
■そもそもなぜ歯ぎしりをしてしまうのか?
・歯並びや噛み合わせの影響
歯並びや噛み合わせが悪い場合、適切な位置に歯がないことをストレスと感じて歯ぎしりにつながってしまうことになります。
歯に食べ物が挟まっていたり、詰め物をして間もなかったりして違和感があると、カチカチと歯を触れ合わせて噛み合わせを確認した経験がある人も多いのではないでしょうか。
一時的ではない違和感が根付いてしまうことで、就寝中や無意識に歯ぎしりを行っている場合があります。
・顎関節の変化
年齢と共に顎の関節がすり減ったり平らになったりすることで、歯ぎしりが起こることがあります。
自分でも気づかないような小さな変化が歯ぎしりの原因となっている場合、自覚するのは難しいかもしれません。
・日常的なストレス
歯ぎしりの原因として多いと言われているのがストレスです。
仕事・家事・育児・介護・人間関係・体調など、日常的にストレスを感じることが多い場合、歯ぎしりが起こることがあります。
■歯ぎしりで起きる悪影響
・歯がぐらつく
歯と歯を強く噛み合わせることで、歯がぐらついてしまう可能性や歯根膜を損傷したり、歯がゆさぶられて歯周病が悪化したりすることもあります。
また、歯茎と歯の間にある小さなスキマが広がり、食べかすや汚れが溜まりやすくなって虫歯に発展することも考えられるので要注意です。
・歯が擦り減る
歯を擦り合わせることで歯が削れ、擦り減ってしまうことがあります。
冷たいものや刺激のあるものを食べると染みると感じることもでてきます。
また、歯が削れることで噛み合わせが変わってしまうことがあり、
更に歯にストレスがかかって歯ぎしりを悪化させたり、食べ物の咀嚼が上手くいかなくなったりする可能性もありますので注意が必要です。
・人工歯が取れる
人工歯や詰め物など過去に治療した部分が取れる可能性があります。
素材によってはヒビが入ったり割れたりして、再治療が必要になることもあるでしょう。
・頭痛や肩コリに発展する
口周りに常に力が入ってしまうため、隣接する頭や肩周りの筋肉や血行にも影響が出ます。
頭痛や肩コリに発展することが多いですが、鎮痛剤やマッサージで一時的に楽になっても根本的な原因が解消できず、慢性的な痛みを抱えるようになる場合もあります。
■歯ぎしりの治療
最後に歯ぎしりの治療法をご紹介します。
原因や状態によって最適な治療法は変わりますが、歯ぎしりはクリニックで適切な治療を行えば歯軋りによる影響を軽減することはできます。
〇歯ぎしり用のマウスピース
クリニックで歯ぎしり用のマウスピースを作成し、就寝時に装着する方法です。
「スプリント療法」と呼ばれることもあり、自分の歯の形にフィットするマウスピースを作ることで、無意識のうちに起きる歯ぎしりによるダメージを軽減しやすくなります。
また、マウスピースは歯を守ること以外にも、筋肉が緊張しすぎるのを防いだり、顎関節症を予防したりする効果があると言われています。
〇過去に治療した部分を見直す
噛み合わせが悪いことが原因で歯ぎしりをしている場合、過去に治療した部分を見直すことがあります。
今の噛み合わせに適した詰め物にしたり、虫歯や歯周病などがないかチェックしたり、歯が抜けたままの状態になっている場所があれば人工歯を作成したりします。
結果として噛み合わせがよくなり、歯のストレスが減って歯ぎしりが改善されることがありますので、併せて診察してもらうのがおすすめです。
〇歯列矯正
歯並びが悪くて歯ぎしりしている場合、歯列矯正することがあります。
歯列矯正により歯を理想の位置に近づけることで、歯並びも噛み合わせもよくなり、歯ぎしりが改善されるのです。
矯正の方法は、ワイヤーを使うものからマウスピースを使うものまでさまざまです。
期間や費用も異なりますので、こちらも歯科医師と相談しながら進めましょう。
〇ボトックスを使って筋肉を治療する
ボトックスを筋肉に注射し、働きを弱くして過度な緊張を取り除く方法もあります。
筋肉が緊張して歯ぎしりをしている場合に有効で、顎周りの筋肉が発達しすぎるのを防ぐ意味合いもあります。
半年~10ヶ月程度効果がありますが、定期的に経過観察しながら継続するのがよいでしょう。
※左京山歯科・矯正歯科クリニックではボトックス治療は行っておりませんのでご了承ください
■まとめ
ただの癖だと歯ぎしりを放置してしまいがちですが、実は歯や顎に大きなダメージを与えています。
歯が削れる・割れる・人工歯が取れるなど深刻な状態になってしまうこともありますので、できるだけ早めに改善をしたり、気になる場合は歯科医院へ相談しましょう。