歯茎の間にすき間ができた!?ブラックトライアングルについて
こんにちは、左京山歯科・矯正歯科クリニックの院長の宮崎です
『以前より歯や歯茎の隙間が大きくなってきた気がする』、『歯の間がスースーする』などこういったご経験やお悩みはありませんか?
こういった歯や歯茎の間にできる隙間をブラックトライアングルと呼び、これは様々な要因によって生じることがあります。
ブラックトライアングルとは
ブラックトライアングルとは、その名の通り『黒い三角形』を意味します。
これは歯と歯茎で作られる三角形の隙間が暗く見え、黒い三角形を形成することからこう呼ばれています。
ブラックトライアングルができるとどんな悪影響が生じるのか以下に記載します。
①見た目が悪くなる
奥歯であれば見えないのでそれほど気になりませんが、前歯の間にブラックトライアングルが生じると目立つことがあります。
②食べ物がはさまる
歯の間に隙間ができると横の隙間から食べ物が入りこんだり、汚れが停滞しやすくなります。
そのため清掃不良になることが多く、虫歯や歯周病を引き起こす原因となることがあります。
③歯磨きがしにくくなる
食べ物がはさまりやすくなるため、フロスや歯間ブラシを併用しながらのセルフケアがより一層必要になります。
④歯がしみたり痛みの原因になることがある
歯茎が少し下がっているために生じるため、その部分から知覚過敏の症状が現れることがあります。
また、清掃の難易度があがることから歯肉炎や歯周炎になり痛みの原因になることがあります。
ブラックトライアングルの原因
一般的には特に歯周病の方などに多く見られる症状で歯茎が下がってくるとこういった隙間ができてきてしまいます。
ただし、歯や歯茎が一見健康状態であっても矯正治療によって歯を動かす過程でブラックトライアングルが生じることがあります。
①歯周病、加齢
歯と歯の間には歯肉があり、歯肉の細胞が活発なうちはしっかりとした歯肉の形を形成してくれます。
しかし歯周病で骨が下がってきたり加齢により歯肉の細胞活性が低下してしまうと、歯と歯の間に歯肉を保つことが難しくなり徐々に歯肉が下がってきてしまいます。
これは運動能力やお肌の状態が徐々に低下してきてしまうのと同じで、30代頃からゆっくりと出現してくることがあります。こういった現象を抑えるには20代の頃から定期的に検診を受け、メインテナンスをしっかりとしておくことが重要になります。
②歯ぎしりや食いしばり
主に就寝中ですが、歯ぎしりや食いしばりによって過剰な力が歯およびそれを支える骨(歯槽骨)にかかることがあります。
するとその力に耐えられなくなり、歯茎が下がってしまったり歯の周りの骨が後退してしまうことがあります。
③歯や歯肉の形態
人それぞれ歯の形や歯肉の厚さや形は異なります。
よく知られているのは、男性より女性の方が歯肉は薄い傾向にあり歯肉退縮で悩まれる方が多いというデータがあります。
④矯正治療によるもの
矯正治療は歯を動かしていく治療ですが、それに伴い歯肉が歯についていく、あるいは新しく形成されることが必要となります。
そのためには先ほど述べたように歯肉の細胞活性が活発であることが必要となります。
また、もともと歯肉が下がっていたのが矯正治療で見えるようになってしまったというケースもあります。
それは歯が重なっていることで目立っていなかったものが、歯を綺麗に並べることで逆に目立つようになってしまったというもの。
これはガタガタの歯並びを治す際によく見受けられます。
どうしても矯正治療に伴う歯肉退縮のリスクはつきものです。
もともとの歯肉や歯の周囲の骨の状態に大きく関係がありますので、年齢とともにそのリスクは上昇してくる傾向があります。
ブラックトライアングルは治せる?
ブラックトライアングル が生じてしまった場合、そこまで気にならないようであればそのままでも問題はありません。
しかし、前歯であればどうしても見た目が気になるものです。
①白い詰め物で埋める
奥歯の溝を埋めたり前歯の治療によく使う白い詰め物(歯科用レジン)で気になる隙間を白い詰め物で埋めることで見た目などを改善します。
②歯の間を少し削って矯正により隙間を埋める
IPRという方法で、歯の横を0.1mm単位で削ります。
そしてその隙間を矯正治療により寄せてなくすことでプラックトライアングルが小さくなるという原理です。
③セラミック/ジルコニアによる治療
かぶせ物によって歯の形を変えることで改善する治療です。主に材料としてセラミックやジルコニアを使用することが多いです。
元々かぶせ物をしている歯であれば、かぶせ物だけをやりかえることで改善が見込めます。
最後に
このようにブラックトライアングルは様々な原因により生じます。
前歯は特に目立つことがあるため気にされる方も多い印象を受けます。
ブラックトライアングル についてお悩みの方は、左京山歯科・矯正歯科クリニックでも治療ができますのでご相談ください。