矯正装置のクワドヘリックス、バイヘリックスとは?
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニック院長の宮崎です。今回は矯正装置の一つクワドヘリックス、バイヘリックスについて説明したいと思います。
クワドヘリックスとは固定式の矯正装置で上の歯の生える場所を作るために歯列を側方に拡大させる装置の事を言います。
主に歯の生える場所が足りなくて歯並びがガタガタの場合に使います。使う時期は混合歯列期と言う乳歯と永久歯が混在する時期(7歳~12歳くらい)の時期に使うことが多い装置です。
クワドヘリックスは固定式の装置で自分では外すことができません。注意事項は内側の装置に食べたものが挟まりやすいので親御さんがしっかりと仕上げ磨きをしてあげましょう。また固定式で外すことができないので装置が歯茎に食い込んだりして痛みが出る場合もあります。痛みが出たら歯科医院に連絡して調整してもらいましょう。
初めは違和感があり気になるお子さんも多いですが1週間もすればほとんど気にならなくなります。食事も普通に食べることができますので安心して下さいね。
この子は犬歯が生える場所が足りなかったのでクワドヘリックスを装着しました。
1ヶ月に1度調整を行い犬歯が生える場所を確保することができました。
クワドヘリックスを入れることで歯列弓の拡大を行うことができ歯の並ぶ場所を作ることができます。比較として拡大床という取り外しの装置もありますがどちらが良いかはお子様の協力度に依存します。
拡大床と言われる装置は可徹式装置と言われ取り外し式の装置になります。そのため口の中に入れてる時間が長い方が効果が出るのです。どれくらい入れている必要があるかというと1日に20時間以上と言われています。寝ているときはもちろん学校に行く時間もはめておく必要があり、外して良いのは食事の時と歯を磨くときだけです。そのためお子様がしっかりと真面目にはめている場合は効果がありますがあまりはめていないと全く効果が出ません。1日に12時間はめていたとしても歯が動いたと思ったらはめていない時間で元に戻ってしまいプラスマイナス0で効果がありません。
また拡大床は1週間から10日に一度装置の真ん中のネジを回さないといけません。これを忘れてしまっても装置として効果が出ないのです。
ネジの写真
もちろんクワドヘリックスにもデメリットはあります。固定式装置で外すことができないので磨きにくく虫歯になりやすいという事です。こればかりは親御さんにしっかりと仕上げ磨きをしてもらうことが重要になってきます。
クワドヘリックスと拡大床どちらが良いというわけではありません。その子の性格や症例によって使い分けます。どちらも目指すべきゴールは同じです。これは成人矯正のブラケット矯正とインビザラインなどのマウスピース矯正の関係に似ています。
どちらが良いというわけではなくその方の症例やきちんと装置をはめていてくれるかなどで使い分けます。
バイヘリックスはどんな装置かというと、クワドヘリックスが上顎の装置に対してバイヘリックスは下顎の装置になります。装置の設計が少し違うだけで効果や注意事項はほとんど変わりません。
まとめ
クワドヘリックス、バイヘリックスは
・固定式の装置で患者さん自身では外すことができない。
・歯科医院で1〜2ヶ月に1回外して調整をして再度つける。
・歯の並ぶスペースが足りない場合に使用する。歯列弓を拡大する効果がある。
・初めは違和感があるが徐々に慣れていく。舌に装置のあとがついたり歯茎や舌が痛くなる場合がある。
・装置の針金に食べたものがつきやすいので仕上げ磨きは必須。