サイナスリフトとは??
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。 上の顎にインプラント治療を行う場合に問題が出てくるのが上顎洞への対応です。この上顎洞までの骨の量が少ないとインプラントの治療が難しくなってきます。
上顎洞とは??
上顎洞とは副鼻腔の一つで鼻の隣りにある大きな空洞です。副鼻腔の役割は頭蓋骨の軽量化や空気を温めたりなど役割があるとされてますがはっきりとは分かっていません。上顎洞は副鼻腔で一番大きな空洞で、上の奥歯の根などは上顎洞の中に入り込んでる場合もあるのです。
上の歯を抜歯すると??
抜歯して歯がなくなるとこの上顎洞までの骨が少なくなってきます。人によって変わってきますが歯周病や根に膿が溜まってるなどの歯を放置しておくと骨が薄くなっていきます。およそ上顎洞までの距離が5ミリ以下だとそのままインプラント治療を行うのは難しくなります。 ショートインプラントと言って短いインプんラントでも6ミリだからです。5ミリではインプラントを埋めることができないのです。そこでサイナスリフトという処置が登場します。
サイナスリフトとは??
サイナスリフトとは上顎洞までの距離が短い場合に行う上顎洞底挙上術の方法を言います。サイナスリフトはラテラルアプローチともい上顎洞に横からアプローチして行きます。歯茎を切開して骨に窓開けと言い穴を開けてその後に上顎洞粘膜を挙上して人工材料を入れて歯茎を縫って終わりです。手術時間は約1時間程度です。
サイナスリフト後の注意点は??
一般的な外科処置と同じで、激しい運動や飲酒、喫煙、長めの入浴は避けた方がいいでしょう。サイナスリフト特有の注意事項としては鼻を強くかまないということがあります。つまり鼻を強くかむと上顎洞に圧がかかりあまり良くありません。鼻をかむ際はかなり控えめにお願いします。場合によっては軽度の鼻血が出ることがありますが長引かなければ問題ありません。
サイナスリフト後はどれくらい待つのか??
一般的にインプラントの初期固定が得られる5〜6ミリ程度の上顎洞までの骨の厚みがある場合はサイナスリフトと同時にインプラントの埋入を行うことができます。しかし上顎洞までの骨の厚みが2〜3ミリの場合はインプラントの初期固定が得られないためサイナスリフトのみを行いインプラント埋入は5〜6ヶ月後に行います。
ソケットリフトとの違いは
上顎洞挙上術の方法にもう一つソケットリフトという処置があります。これは上顎洞のまでの骨の厚みが5ミリ以上ある場合に行います。ソケットリフトで挙上できる量は3ミリ程度なので通常は5〜7ミリの骨の厚みの場合に行う処置です。ソケットリフトは上顎洞の約2ミリ手前までドリルで穴を開けそこからオステオトームという道具で上顎洞粘膜を持ち上げていきます。その後にインプラントを同時埋入する処置です。体にかかる侵襲もサイナスリフトより少ないですが趣旨の感覚だけで行う処置のため危険を伴うこともあります。 ですので骨が極端に薄い場合はサイナスリフトを選んだほうがいいと言えましょう。
まとめ
日本人で抜歯後に上顎洞まで骨が10ミリ以上ある人は少ないでしょう。最近はむやみに痛くないからと言って歯を残す方も増えています。しかし、膿んでいる歯や歯周病の歯を残しているとその代償として歯槽骨が失われてしまい、とうとう抜歯ということになった場合に上顎洞までの骨の厚みが1〜2ミリということもしばしばあります。
上顎にインプラントを行う場合はサイナスリフトかソケットリフトを選ぶ場合も多いと思います。またショートインプラントと言って長さ6ミリの短いインプラントを入れる方法もあります。どの方法もメリットとデメリットがあるので歯科医師しっかりと相談をして治療に望みましょう。