インプラント治療に対するQ&A 無歯顎編
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。
インプラント治療って自費診療だし外科処置があり色々聞きたいことがたくさんあると思います。今回はインプラント治療によくある質問に答えてみたいと思います。
しかもこの質問に対する答えは、厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療のためにQ&Aから抜粋しました。 つまりこれは厚労省が国民に向けて公表しているものなので国がインプラントについてどのように考えているかということなのです。それでは質問にいってみましょう。
Q1:無歯顎。総入れ歯かインプラント。普通どっちが快適ですか?
A.インプラント B.入れ歯です C.どちらも一緒です D.なんとも言えません
みなさんはどのように思いますか??厚労省はどのように考えているのでしょうか??答えはAのインプラントなのです。
これの正確な質問は、「無歯顎治療においてインプラント支持固定式・術者可撤式補綴装置(ボーンアンカードブリッジ)による治療は、従来の全部床義歯(総義歯)よりも有効であるか??」というものです。
回答は、「ボーンアンカードブリッジは全部床義歯に比較して患者の総合的満足度、発音機能、審美性、咀嚼機能、食事の快適性(食品選択能力)に優れる。」 と言うものでした。
つまりインプラントを利用した義歯は総義歯に比べてあらゆる面で優れていると厚労省が回答しています。
総義歯もある程度、顎の骨がしっかりしていて義歯に有利な方の場合はインプラントは必要ないかもしれません。骨がしっかりしてるのできちんと義歯を作ればある程度はひっついて噛める義歯ができます。
しかし現在は昔に比べて義歯作りには不利な方が増えてきました。30年位前ですと、ある程度しっかりした歯でも簡単に抜いていた時代でもあり今よりも若く総義歯を入れている方も多かったのです。早く歯を抜いてしまうのでまだ顎の骨もしっかりしていて義歯作りは比較的容易でした。
今は患者さん自身もなるべく歯を残してほしいという願いが強くなってきたこともあり結果、本当は残さないほうがいい歯でも患者さんの気持ちを尊重して無理に歯を残すこともあります。
するとその歯は膿を作ったり歯周病になり顎の骨を吸収していきます。どうしても限界が来て患者さん自身が抜いてほしいといって抜歯をします。すると顎の骨は吸収して義歯作りは非常に難しくなっているのです。
さらに超高齢化社会を迎える現代は寿命も昔に比べて遥かに伸びてきました。昔は総義歯になりしばらくして平均寿命を迎えて亡くなっていましたが、現在は総義歯になっても寿命が伸び長く総義歯の期間を過ごさなくてはいけません。
そういった背景もあり快適に総義歯で食事をとるための一つの治療としてインプラント義歯が注目を浴びてきてます。
まとめ
下の総義歯は非常に難易度が高く特に顎の骨が少ない方などは快適に食事を取ることが難しい場合があります。今は短いインプラントも出てきて少ない本数のインプラントで総義歯を安定させることができます。毎日欠かすことができない食事。その食事を美味しく楽しく食べるためにインプラント治療をするというのも一つの手段だと思います。