歯科医が教える抜歯後の注意で本当に大切なこととは??
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。
親知らずなどの抜歯の後には歯科医院で抜歯後の注意事項が説明されますよね。もちろん説明されることは全て大切ですがその中でも特に大切な事があります。
そこで今回は歯科医師がこれだけは抜歯後に絶対に守ってほしいということを教えていきたいと思います。
うがいを頻繁にすることはやめましょう。
僕が一番注意してほしいのはうがいです。抜歯した場所からは出血はあります。でもこれは治癒するために必要な出血なのです。血が出るからと言って頻繁にうがいするとどうなるでしょうか?? せっかく血液が抜歯した穴に溜まってゼリー状になり固まってきた所でうがいを激しくすると血餅という血液のふたが取れてしまいます。するとまた出血したり治りが悪くなってしまうのです。
通常の抜歯では動脈を切ってしまって大出血することはありません。若くて血行のいい人などや唾液が多い人などは半日くらい唾液に血液が混じったりすることもあります。しかし頻繁にうがいをしてはいけません。うがいをするにしても口に水を含んで流す程度にしましょう。けしてブクブク激しいうがいだけは控えてくださいね。
出血が気になる時はガーゼを咬むべし
でもどうしても出血が気になった時はどうすればいいの??と思われる方もいるかも知れません。そういう時はガーゼを4つ折りくらいにして抜歯した部分で強く咬みましょう。
止血の基本は圧迫止血です。ガーゼを15分位しっかり咬めば出血はおさまります。それでも血が出るときはおそらくガーゼがしっかりと咬めてないと思います。抜いた歯の手前でガーゼを咬んでいて全然血が止まらないと言われたこともあります。しっかりと抜歯した部分にガーゼをおいて咬みましょう。必ず出血は収まってきます。
抜歯後1週間立っても痛みが引かない、それはドライソケットだからです
通常抜歯後の痛みは3〜4日で引いていくのが一般的です。しかし1週間立ってもジンジン痛む場合はドライソケットになってる場合があります。
ドライソケットとはうまく血液が抜歯した部位にたまらなくて抜いた部分の穴が塞がらない状態のことを言います。多くの方はうがいを頻繁にしたり、唾液が多くて血液が流されてしまい、抜歯した部位に血餅ができなくて痛みが続くことがあるのです。
つまり血液がうまく溜まらないと治癒不全を起こして痛みが持続してしまうのです。経験上このドライソケットは若い女性によく起こる気がします。因果関係は不明ですが、痛みが続く方の抜歯部位を見ると穴がぼっこーんとあいています。そういった方はもう一度薬を出して様子を見ます。9割以上の患者さんは投薬で収まりますが、中には歳掻爬と言ってもう一度麻酔をして抜歯した部位を専用の器具できれいにして出血させて血液をためて治すこともあります。 どちらにせよ、しっかりと抜歯後にガーゼを咬んで圧迫をしっかりすることがドライソケットの予防になります。
まとめ
抜歯後の注意事項は、激しい運動をしない、お酒を飲まない、お風呂に入らない、薬をしっかり飲む、タバコは控える、など他にも色々ありますが歯科医師としては、うがいをしすぎないことは大事なことだと思います。
少し血の味がしてもあまり気にしないことが大切です。血管を切ったり、血が止まらない病気の方でない限り抜歯部位からの出血は必ず止まります。体も直すために必要だから血を出すのです。逆に出血が少ない方だと後で治りも悪いのです。歯科医院で抜歯後にガーゼをもらったらお守り代わりにしっかりと持って帰り血が気になったらガーゼを咬んで圧迫しましょう。 少しくらいの出血なら大丈夫という鈍感力もちょっとは大切だと思います。