下顎水平埋伏抜歯の手順
こんにちは、名古屋市緑区の医療法人SKY左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。本日は下顎の水平埋伏智歯抜歯の手順について説明したいと思います。
智歯と言うのは親知らずの事で横向きに埋まっている親知らずの抜歯になります。横向きの親知らずの場合は疲れたり体の抵抗力が落ちたときに痛みが出たり、手前の歯に虫歯や歯周病を作ったりして悪さしかしませんので若いうちに抜歯を行った方が良い場合がほとんどです。
1:麻酔
まずは抜歯する周囲にしっかりと局所麻酔を行います。左京山歯科クリニックではオーラ注と言う局所麻酔薬を使い、通常は2〜3本程度の量を打ちます。 場合によっては下顎孔伝達麻酔という広範囲に効く麻酔を打つ場合もあります。麻酔をすると麻酔した側の下唇や舌先もしびれる場合もあり2時間から3時間程度麻酔が効いています。
2:切開
メスで親知らずの周囲の歯茎を切開します。
3:剥離
切開を入れた歯茎をめくって歯槽骨や歯をを見えるようにします。
4:周囲の骨を削ります
親知らずの歯の頭が見えるように歯を削る道具で周囲の歯槽骨を削ります。
5:歯の頭を(歯冠)を削ります
手前の歯に引っかかっている親知らずの頭(歯冠)を削って取り出します。
6:根に抜歯する器具(ヘーベル)をかけます
手前の歯との間に隙間ができたら歯の根にヘーベルという抜歯器具をかけます。これで歯の根が動いて抜けてこれば抜歯は終了です。 歯の根が動かない場合はさらに歯の根を分割するために削ります。 分割した根にヘーベルをかけて抜いていきます。
7:不良肉芽の掻爬と生理食塩水で洗浄
炎症があった場合は不良肉芽といって悪いお肉がありますのでしっかりと掻爬(取り除く事)し削った粉などを生理食塩水できれいに洗浄します。
8:縫合
絹糸で2〜3糸縫合します。
9:抜糸
抜歯後1週間後に抜糸を行います。
まとめ
下顎の水平埋伏抜歯の手順は以上のようになります。抜歯の時間は左京山歯科クリニックの口腔外科担当の古橋は約30分程度で抜歯をしますが、非常に難しい抜歯の場合は60分程度かかる場合もあります。
親知らずはほとんどの場合痛みを引き起こしたり、手前の歯に虫歯や歯周病を引き起こしトラブルの原因になります。また高齢者の方で親知らずまでしっかりと残っている事はあまりありません。年齢とともに親知らずの周りの骨が硬くなっていき抜歯が難しくなりますので横向きの親知らずの場合は若いうちに抜歯を検討した方がいい場合もあります。
歯科医院で親知らずを抜くかどうかは痛みが無いうちにしっかりと相談をして起きましょう。
名古屋市緑区の左京山歯科クリニックでは下顎の水平埋伏抜歯は口腔外科の先生が担当します。口腔外科の先生は毎日はいませんので注意して下さい。
また下顎の水平埋伏抜歯は来院してその日に抜歯を行う事はありません。事前にレントゲンや必要があれば歯科用CTを撮影し治療説明を行い、同意書を書いて頂いてから抜歯になりますのでご注意下さい。
左京山歯科クリニックでは2本以上の複数の親知らずの抜歯も対応しておりません。左右の親知らずの抜歯や4本同時抜歯をご希望の場合は藤田医科大学病院をご紹介させて頂きます。