口腔がんについて
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックで非常勤で勤務しております愛知医科大学病院で日本口腔外科学会専門医の古橋です。
以前報道されたタレントさんの舌がんで皆さんもお口の中を気にするようになったのではないでしょうか。
口の中にできるがんは身体の中でも直接見て確認することができます。しかし初期の状態では症状が出ないことも多く、またがんができやすい部位は舌の縁のところや奥歯の歯茎のところなど、ぱっと見では分かりにくい場所にできやすいです。そうでなくてもお口の中は入れ歯が当たることで傷ができやすかったり、全身の病気のために飲んでいる薬の影響で口内炎ができやすかったり、食事でも硬い物を食べると知らないうちに傷ができていたり、など様々な要因で傷ついてしまいやすいです。なので普段から定期的に歯医者さんで確認をしてもらった方が安心です。
しかし、報道でもあったように、見た目ががんにみえず、口内炎のような形をしている場合や、見た目はほとんど変化しておらず、内側で硬くなっている場合もあり、歯医者さんでもすぐに診断することはできません。お口の中の病気は様々であり、がんと区別することが難しい場合があります。ある程度様子をみても改善しない場合は口腔外科の専門施設に受診することをおすすめします。
専門施設では細胞や組織を採取し顕微鏡の検査を行うことでがんになっていないかどうかを確認することができます。早期発見をすればいろいろな治療を受けることができる可能性があります。がんの治療は一般的に外科手術、放射線療法、抗がん剤治療を単独で行ったり、併用して行います。
また他にも白板症、紅板症、扁平苔癬など今後がんに変化していってしまう可能性のある粘膜疾患も存在します。こういった病気も痛みなどの症状がでないこともあり、見た目の変化で気づくことがあります。
ただ熱心にお口の中を見てみると舌や歯茎、ほっぺたの粘膜は意外とでこぼこしていたり、ざらざらしていたり。それが正常の形の場合もありますので、定期検診の時など歯医者さんに相談してみましょう。
よく口内炎をがんではないかと心配される方や、レーザーなどですぐに治して欲しいと言われる方もいらっしゃいます。口内炎は確かに痛いし食事もうまく取れなかったりするのでその気持ちはよく分かります。しかし口内炎かその他の粘膜病変かを鑑別するためにも口腔の粘膜にできた病変は2週間から1ヶ月経過を見ることがとても大切です。
通常口内炎であれば2週間で自然に治ります。なので2週間位で来院してもらいキレイに治っていれば口内炎、まだ治ってなければさらに2週間後にチェックを行います。1ヶ月経っても治ってなければ口内炎ではありませんので専門の病院で診てもらうことになります。
口内炎だからと言ってなんでもかんでもレーザーを当てるというのは診断もできてないのでいかがなものかと思います。もしがんであったらレーザーを当てるというのは良くないことなので口内炎は痛くて辛いですが2週間で良くなりますので経過観察か軟膏を塗るという対応がいいでしょう。
もし1ヶ月経っても治らない場合は専門の病院に紹介させていただきます。緑区の場合多いのは藤田医科大学病院になり左京山歯科クリニックと提携しておりますのでインターネットで予約を取って行くことができるのが特徴です。
その他の病院は、長久手の愛知医科大学病院、南区の中京病院など口腔外科のある病院でしたら紹介させていただきます。
名古屋市緑区の左京山歯科クリニックでは口腔外科に所属している歯科医師が3名ほどいますので口の中にできた粘膜の病気で気になる方がいましたら口腔外科の先生が診ますので安心して来院して下さい。日によっては口腔外科の先生がいない場合もありますので必ず予約を取って来院して下さい。