塗ると歯が黒くなってビックリ!?サホライドの脅威の性能とは??
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニック院長の宮崎です。
歯医者さんに行ったら子供が虫歯を指摘されたけど、今まで治療もやった事がないからすんなりとは治療をやらせてくれない、なんてことはよく見かける光景ではないでしょうか。しかし、そのまま虫歯を放っておくとどんどん大きくなる一方です。
そんな治療に慣れていないお子さんなどで、虫歯の進行を止めてあげるためにお薬を塗ることがあります。それが「サホライド」と呼ばれるお薬です。
このサホライドというお薬はフッ素と銀がはいっており、虫歯の柔らかくなっているところに銀が取り込まれることで、塗った後に黒く変色します。銀によって柔らかくなった虫歯の部分が硬くコーティングされ、またフッ素により歯の修復を促します。サホライドの特徴は銀の成分が入っていることです。銀は殺菌、抗菌作用があります。最近では銀イオンを含んだ除菌スプレーもありますよね?この銀が虫歯の進行を抑制する大事な成分なのです。
以前のお子さんの虫歯がかなり多かった時代は多用されていましたが、現在は黒く変色する、という審美的な点で使われる頻度が少なくなってきています。
しかし、審美的に問題のない奥歯などでの使用されることがあります。歯が黒くなることで親御さんにもどの部位に虫歯があるのかがわかりやすく、またサホライドを塗った上から汚れがつくと歯に汚れが直接付いているのと比較すると、下が黒くなっているためわかりやすいです。
左京山歯科クリニックでも3歳位で奥歯が全て虫歯になり治療ができないのでサホライドを塗布して経過を見ていたお子さんもいますが、今では小学生になり乳歯のサホライドがしっかりと効いているので一見すると奥歯は溝が黒いのですが虫歯の進行はほとんどしておらず永久歯にうまく生え変わった子供もいます。
もうすぐに生え変わる歯にサホライドを塗った場合はそのまま経過観察となることもありますが、まだ生え変わりに何年かある場合は、サホライドにより進行抑制をしている間に、徐々に治療ができるよう練習をする事ができます。治療ができるようになればサホライドの部分を削り取り、白い詰め物に治療をし直すことも可能です。
サホライドは虫歯の部分が黒くなる事以外は万能でいいと思われるかもしれませんが、サホライドを塗ってもう大丈夫と安心してはいけません。サホライドを塗っても食生活習慣や歯ブラシの仕方が良くないといかにサホライドが塗られていても虫歯は進行します。あくまでサホライドは虫歯の進行を抑制する手助けのお薬だと思って下さい。
今まで子供の歯での使用について説明していきましたが、もちろん大人にも使用する事ができます。ただやはり黒く変色をしてしまうため、審美的に問題となる部分には使えません。
奥歯の磨きにくいところは、やはり傍目からも見ることはできませんので、そういった箇所に応用することもあります。他にもそういった虫歯のところだけでなく、歯周病によりでてきた歯の根っこの部分も虫歯になりやすいので、そういったところにも応用することができます。最近は高齢化社会になってきて歯の根っこの虫歯、根面う蝕が問題となってきています。
歯磨き粉のCMでも根面う蝕が取り上げられているのを見たことがある人もいるかもしれません。この根面う蝕にこそサホライドの効果が抜群なのです。根面う蝕は通常の虫歯治療で使うコンポジットレジンがうまく接着しにくいので詰め物の下で虫歯になりやすく高齢者にとって歯周病と同じくらいコントロールや治療が難しいのでサホライドがとても有効です。
しかし進行した根面う蝕にはサホライドも効果が出にくいので初期の根面う蝕にサホライドは効果はあるでしょう。
まとめ
サホライドはうまく使えば虫歯の進行を抑える素晴らしい薬です。しかしサホライドはまだ治療ができない幼児や手が不自由な高齢者などきちんとブラッシングや治療ができない人に使うべきでありあくまで補助の薬です。サホライドに頼らなくていいよう食生活習慣やブラッシングをしっかり行い虫歯にしないようにしましょう。