歯の根の周りに大きな膿が!?歯根嚢胞とは??
歯根嚢胞とは、歯の神経が死んでしまったり、神経の治療を行ったあとに歯の先端の所にばい菌がついてしまい骨の中で膿の袋ができあがっている状態を指します。歯根嚢胞は歯の根っこにできる膿の袋、という意味になります。
歯があるところではどの歯にもできてしまう可能性があります。
歯の神経の治療をしていない場合、元々歯をぶつけてしらない間に神経が死んでしまい、ばい菌がついて炎症を起こすことで歯の根っこの先で歯根嚢胞がつくられます。
歯の神経の治療をしている場合は、歯の神経の治療をしたとしても、治療の器具が入らない場所に汚れが残ってしまい、器具の入る範囲の治療はしっかり行えていても、入らない場所の汚れによって歯の根っこの先に歯根嚢胞がつくられます。
ほとんどの場合が症状がでないため、いつのまにか大きくなっていることが多く、歯茎が腫れてきたり、ばい菌がついて痛みを出してきたり、他には歯医者さんのレントゲンで見つかることが多いです。
歯根嚢胞の大きさが小さい場合や、歯の神経の治療を行っていない場合は歯の神経の治療を、また歯の神経の治療を行っていたとしても再度歯の神経の部屋に入っているお薬を詰め替える事で状態がよくなる可能性があります。
今上でいった処置をおこなっても改善しない場合や、膿の袋の大きさがある程度の大きさになってくると、神経の治療だけでは改善しないことが多いため、その場合は歯は抜かず、歯茎の部分を切って、周りの骨を削ったあとに溜まっていた膿の袋をとる、また歯の先端の部分を取る方法があります。
歯の先端をとってしまう理由としては、先程、歯の神経の治療をした時に器具が入らない場所の汚れがのこってしまう、と説明ましたが、この治療の器具が入らず汚れが残ってしまう場所が歯の根っこの先の部分に集中しています。なのでこの部分をとる事によって原因を取り除いてあげる事ができます。こういった処置をする場合は、事前にCTを撮影し、治療が可能なのか判断し、施設によっては顕微鏡を使いながら操作をしていきます。奥歯では治療の器具が入りにくく難しいこともあるため、すべての歯で治療が可能ではありません。そういった治療が可能かどうかは歯医者さんで確認してもらいましょう。
これらの治療で対処しきれない程の大きさになってくると、口腔外科など専門の施設で抜歯と嚢胞をとる処置が必要になっていきます。
大きさが大きくなっていると、上の奥歯でできた場合は鼻の横にある上顎洞という、蓄膿症の時に膿がたまる場所に広がっていく事が多く、この歯根嚢胞により、副鼻腔炎を引き起こす可能性があります。そうなると頭が重だるい感じがしたり、鈍痛がしたり、嫌なにおいがしたり、などの症状を引き起こすことがあります。また下の奥歯でできた場合は、顎の骨の中を走っている下歯槽神経という神経に近くなってしまうため、嚢胞を取るときに神経を傷つけてしまうと唇のところにしびれが残ってしまうことがあります。
こういった大きな大きさになってくると、全身麻酔で処置が必要になってきますので、可能な限り、定期的に歯医者さんでレントゲン写真をとってチェックし、早めの対応をしていきましょう。