歯周外科について
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科・矯正歯科クリニックで非常勤で勤務しております日本歯周病学会認定医の森本です。
皆さんは歯周病はご存知ですか?
歯科の2大疾患とされる歯周病、虫歯は進行すると歯を失ってしまう怖い病気です。
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が吸収され歯茎が下がっているように見えるようになります。
歯茎が腫れて、出血を認め持続的な炎症が長期間続いて歯を失ってしまうことになってしまいます。
歯周病のチェックと日本人の罹患割合
歯周病になっているかは「歯周ポケット検査」「X線レントゲン診査」「口腔内診査」などで総合的にみて診査します。
指標として4mm以上が歯周病に罹患しているとすると歯科疾患実態調査(令和4年 厚生労働省調べ)が行われた結果
・20代 25%
・30代 33%
・40代 40%
・50代 47%
・60代以上 50%
上記の割合で歯周病に罹患していると言われています。
全体では47.9%で高齢になるにつれて増加している傾向があり、日本人の約2人に1人が歯周病になっている状況です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33814.html
(厚生労働省 「令和4年歯科疾患実態調査」の結果(概要)を公表します)
症状が進行すると外科手術が必要に
歯周病は身近な存在でありきちんと治療を行わないと進行を止める事ができません。
しっかり歯周治療を受け、自宅でのセルフケアが徹底されることでやっと健康な口腔内環境を維持できるようになります。
しかし中程度〜重度の歯周病は歯周外科手術を行わなければ、歯周病の進行を止める事ができないと言われています。
5mm以上超えたポケットに対しては歯周基本治療では限界があり、そこで歯周外科をご提案させていただき同意が得られれば治療を行います
歯周外科について
歯周外科には4つ分類することができます
1組織付着療法
・目的:歯根面を清掃し、軟組織に付着させる
・術式:歯周ポケット掻爬術、新付着術、歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)、
臨床ではよく見られる歯周外科です。歯肉を剥離し、明視下でプラーク、歯石や炎症性肉芽組織を掻爬し、歯周ポケットの除去、減少を目的として行われます。
2切除療法
目的:形態修正し歯肉歯周ポケットを減らす
術式:歯肉切除術 歯肉弁根尖側移動術
歯肉増殖症などにも行われる手術です。ポケットの減少は確実に行うことができるが歯肉退縮が生じるので、知覚過敏症になるリスクがあるため綿密な口腔衛生管理が必要です。
3歯周組織再生療法
目的:歯周組織を再生し、新付着を得る
術式:骨移植術 組織再生誘導術(G T R法) エナメルマトリックスタンパク質を応用した手術法 塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)製剤を応用した手術法
骨吸収の程度により、再生が見込める場合にのみ行います。
全体的に骨吸収がある場合はできませんが、部分的に吸収があるときは再生療法が適用されます。一部を除き保険外診療で行うことが多いです。
4歯周形成手術
目的:形態修正し、審美性・機能性を得る
術式:小帯切除術 歯肉弁側方移動術 歯肉弁歯冠側移動術 歯肉弁根尖側移動術 遊離歯肉移植術 結合組織移植術
前歯で歯茎が下がってしまった時や審美障害がある場合に歯肉を一部採取して移植を行ったりする方法です。確実な診査診断のため十分なカウンセリングを必要とします。
最後に
歯周病を放置すると食べづらくなり歯やお口の中の健康を損なうだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすため早めに歯科医院で診てもらった方がいいです。
お口のことでお悩み事がありましたら、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックへお気軽にご相談ください。