歯科と薬の話
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニック院長の宮崎です。
歯医者さんに行くと、最初の問診で「今飲まれているお薬や、何かご病気はありますか」と聞かれることがあると思います。みなさん正しくお伝えしていただいていますか?あまり関係なさそうだからお薬手帳持ってくるの忘れたし、いっか、ということになっていませんか?歯医者の治療では虫歯の治療で麻酔を使うこともありますし。また抜歯などの血が出るような処置も行います。治療をしてから何かあった後に「実は、、」なんてことがあると、取り返しのつかないことが起こってしまうケースもあります。予防の処置などして、防げることもありますので、必ず正確に申告しましょう。
持病として多い病気を見ていきましょう。
まずは高血圧です。血圧が高いと脳や心臓に負担がかかる状態になっており、お薬でコントロールされていても、病院という環境では血圧が高くなりやすいですよね。局所麻酔を使った治療の場合、血圧が上がる作用の成分が入っていますので、緊張している中で投与されるとより血圧があがってしまい、最悪の場合脳の中で血管が圧に耐えられず破れて出血することも。また抜歯などの血が出る処置をした場合、止血するまで時間がかかることがあります。処置の前に血圧を測定し、落ち着いたら始めるか、血圧が下がらず難しい場合は血圧の薬の変更などが必要になってきます。
つぎに血管の中で血の塊ができないように血液をサラサラにするお薬、血栓薬(抗凝固薬、抗血小板薬)があります。抜歯後、血が止まりにくくなります。しかし、だからといって自己判断でお薬を止めてしまうのはお体に影響がでるため、必ず医師からの中止の指示がなければ止めてはいけません。血が止まりやすいよう、糸で縫う、マウスピースで保護する、などの処置が追加で必要になります。
次に、歯と関連するお薬は骨粗鬆症があります。骨粗鬆症やがん治療の一環、またステロイドを長期的に飲まれている方などで内服や注射をしている場合があります。このお薬は顎の骨にも影響があり、歯を抜くなど侵襲が大きな治療や、状態が悪い歯を放置していると顎の骨が腐ってしまう、顎骨壊死、という怖い病気が起きてしまいます。
この薬を飲まれている方や注射を定期的に打っている方は抜歯は要注意です。主治医の先生が事前に歯の治療はすませるように言ってくれる先生もいますが伝えない先生もいます。
顎骨壊死が起きると抜歯後の治りが非常に悪く長期にわたり抜いた所が治りません。また壊死した腐骨(腐った骨)を取り除かないといけない場合もあります。骨粗鬆症の治療を長期にわたり薬や点滴で受けている方は必ず歯科治療を行う前に歯科医師に伝えましょう。
糖尿病の方も注意が必要です。糖尿病の方は長期にわたり糖尿病の治療薬を服用していると思います。血糖値のコントロールができていないと抜歯などの処置を行った場合に通常の方よりも感染がしやすいと言われています。また篩勝ち用のストレスで高血糖や低血糖を起こしやすいので注意が必要です。糖尿病でいかに通っている方は歯科医師にHbAicという血糖値のコントロールの数値を歯科医師に伝えるといいでしょう。糖尿病で治療をしている方は必ずこの数値を知っていると思います。とても重要な数値なので歯科治療を受ける前に自分の数値は伝えると歯科治療がしやすくなります。具体的には7%未満であれば特に問題がないと言われていますが、7%以上だと感染のリスクが高くなると言われていいるのです。
まとめ
医科にかかっていて薬を内服されている方は必ず歯科治療を受ける前にお薬手帳を見せましょう。自分では大丈夫と思っていても薬によっては歯科治療に制限がかかる場合もあり、かかりつけ医の先生に手紙などを書いて意見を求める場合もあります。
何かあってからでは遅いので必ず飲んでいる薬は歯科医師に伝えましょう。また薬のアレルギーや過去に飲んで何か症状がでた場合も伝えて欲しいと思います。初診時に書いてもらう問診票だけでは分からないこともありますのでご自身の状態は気兼ねなくお知らせ下さい。
名古屋市緑区の左京山歯科クリニックでは口腔外科の先生もいますので全身の管理も熟知しております。気になる症状がある方はぜひご予約をお取り下さい。