大人の歯が生えてきたと思ったら突起が!?これって大丈夫?
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの院長の宮崎です。
子供の歯から大人の歯へ生え替わっていくときに、まれに横の歯、つまり前から4,5番目の歯の咬む面が角のようにとがっている事があります。歯が生えてきたと思ったら突起みたいな角があると思ってビックリされたことがある親御さんもいるかと思います。
これは中心結節といってお子さんの生えたての歯でみられることがあります。数%の確率でみられ、これをそのままほかっておくと、しっかりと生えてきて上下で噛み合ったときにこの角の様な部分が折れてしまいます。中心結節の中が硬い歯だけであれば問題ないですが、たいていの場合、角の部分にも歯の神経が入り込んでいます。
そのためここで折れてしまった場合、突然痛みを出してしまうことも。またその時痛みを出さなくても、むし歯でもないのに知らない間に神経が死んでしまい神経の治療が必要になってきます。そういったことにならないように、歯医者さんにしっかり通いましょう。この中心結節がみられた場合は角のところが簡単には折れない様に白いプラスチックの材料で補強して、この中心結節を少しずつ削っていきます。いきなり全て削ってしまうと先ほどお伝えしたように神経がでてきてしまうため、少しずつ削ってあげることで、身体の防御反応を利用して神経の部屋を少しずつ小さくします。最終的に嚙んでも問題ない状態になったらその部分の治療はおしまいです。
この歯は前歯や6歳臼歯とちがって最後に生え替わる歯なので、小学校高学年あたりになることが多いです。このぐらいの年のお子さんになると仕上げ磨きも徐々にしなくなってくるとおもいますので、親御さんが気づかず突然痛みを訴える事があります。お口の中を見ていただくと明らかに他の歯と違ってとがっている事が分かると思います。せっかくこれから大人の歯に生え替わってこれからずっと使っていく、というときに神経を取る治療が必要になるのはとてももったいないですよね。
仕上げ磨きは9歳くらいまではしてあげた方が良いですが、高学年になってきたらあまりしなくなる親御さんも多いと思います。3ヶ月に1回は歯科医院でむし歯予防のために定期検診を受けましょう。今回の様にむし歯でなくても歯の形態異常が見つかる場合も多いですし、乳歯が抜けなくて永久歯が生えてくると歯並びが悪くなる場合もあります。
むし歯がなくても永久歯が生えてきて3年間くらいは虫歯になりやすい時期とも言えます。生えたての永久歯は磨きにくかったりまだ完全に石灰化と言って硬くなっておらず虫歯になってしまう場合もあります。逆にそんな生え立ての永久歯はフッ素をよく取り込み虫歯になりにくい強い歯にすることもできます。それがフッ素塗布です。3ヶ月に1回歯科医院でフッ素を塗って虫歯になりにくい丈夫な永久歯にしましょう。