虫歯のなりやすさは遺伝するのか??
こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニックの宮崎です。
先日私の子供の上のお兄ちゃんが学校の視力検査で引っかかりどうも黒板の字が後ろの席だと見にくいみたいなので授業中だけはめるメガネを作るために一緒に眼科へ行ってきました。
眼科の先生に見てもらうと、近視は遺伝8割で環境要因が2割だから大抵はご両親と同じくらいまで視力が落ちますよと。え〜!!近視って遺伝要因のほうが強いんですか??全然知らなかった。近視は遺伝なんか関係なく暗い所で本を読んだり、ゲームばかりしたりなど環境要因でなるものだと思ってました。 先生曰く近視は遺伝要因のほうが強いみたいです。なるほど勉強になりました。
ところで虫歯のなりやすさはどうなんでしょうか?? 遺伝要因のほうが強いのか環境要因のほうが強いのか、皆さんはどう思いますか??¥
今回は虫歯のなりやすさについて説明したいと思います。
虫歯は遺伝要因より環境要因のほうが強い!!
虫歯に関しては環境要因のほうが圧倒的に強いと思います。確かに歯の物理的な強さに関しては遺伝要因はあると思いますが、虫歯の場合は環境要因に大きく依存します。
虫歯の原因菌は遺伝ではなくて親から子への垂直感染
虫歯の原因菌はミュータンス菌という菌です。この菌がショ糖を食べることで酸を出し、その酸が歯を溶かすことを脱灰といいます。しかし歯は唾液の作用で再石灰化もします。この脱灰と再石灰化のバランスがうまく保っているときは虫歯になりませんが、脱灰の方に傾いてしまうと歯に穴が開く虫歯となります。
この虫歯を作るミュータンス菌はどこから来るのでしょうか??空気感染??食べ物からの感染??違います、お父さんやお母さんの口から接触して伝染る垂直感染なのです。
ミュータンス菌は歯に付着する細菌です。つまり歯がない人にはいないのです。総義歯の人にもいないし歯が生えていない赤ちゃんにもいません。しかし歯が生えてきて離乳食を食べ始める時期に感染が始まります。
例えばお父さんやお母さんが子供が可愛いからと言ってキスしたり、自分の使った箸などで子供に食事をあげたり、自分の使ったコップでお茶をあげたりなど接触感染によって自分の口の中のミュータンス菌を子供にうつすのです。
名古屋市緑区の左京山歯科クリニックでも名古屋市の妊産婦検診を行っていますがその時に虫歯の治療が多いお母さんには特に注意してこの話をします。 ご両親に虫歯の治療が多い場合はミュータンス菌が多いと考えられます。つまり口の中をしっかりときれいにしたり虫歯があれば治療をしておかないと可愛い我が子にたくさんのミュータンス菌をうつすことになるのですと。
そしていくら子供専用の食器などを使っても一緒に生活をする家族なので一緒に触れ合う以上感染を断つことは不可能です。それでは家族ではありません。つまり感染を断つことができなければ自分たちの口の中をきれいにするしかないのです。
遺伝とはもって生まれたもので変えることはなかなか不可能な事を言います。 しかし虫歯の菌は親から子への遺伝ではなく垂直感染で伝染ります。さらに食生活や歯磨きの仕方でも虫歯のできは大きく違ってくるのです。つまり環境要因のほうが強いと考えるのです。遺伝とは違いますが家族的に傾向が似てくるということはあります。これは家族なので食生活習慣やブラッシングの習慣が兄弟や親子で似てくる事でうちの家族は虫歯になりやすいからということになります。これを遺伝と勘違いされる方もいると思いますがこれは環境要因です。
まとめ
目も一度視力が落ちてしまうと基本的に回復はしません。うちの子も色々公開してますし私自身も目が悪くコンタクトを使っているので目の大切さはよく分かります。
歯も虫歯になったら自然治癒はありません。治すといっても再生させるわけではなく人工の材料で補うしかできません。昔から目と歯は大事にしろというのは2度ともとに戻らないからです。近視は遺伝要因が強いですが虫歯は環境要因が強いのでしっかりと予防すれば虫歯になりにくくなります。歯も1度失って初めて大切さが分かることもあります。しっかりと予防して虫歯にならないようにしましょう。ちなみに歯周病の方が虫歯よりは遺伝要因が強いといわれています。