こんにちは、名古屋市緑区の左京山歯科クリニック院長の宮崎です。
歯科医院ってどうしても痛くなったり歯茎が腫れたり何かあってから行くというイメージがあり足を運びにくいですよね。 でも実際は定期的に検診を受けてプロフェッショナルのクリーニングを受けたほうがいい事ずくめなのです。 今回は歯科医院で定期検診を受けたほうがいい理由を説明したいと思います。
「リタイア前にやるべきだった…」後悔トップ20
雑誌PRESIDENTを知ってますか??有名なビジネス雑誌ですよね。見たことある方も多いと思います。実はこの雑誌の2012年11月12日号にこのランキングがありました。 第3位は、日頃からよく歩けばよかった 第2位は、スポーツなどで体を鍛えておけばよかった 第1位は、歯の定期検診を受けておけばよかった
このアンケートは55〜74歳の男女1000人にアンケートを行ったものです。なんと第1位は歯の定期検診なんですね。やはり仕事や子育てが終わり自分の時間が持てるようになって歯がなくなってる事は後悔の1位のようです。
歯というのは一度失うと二度ともとに戻らない組織です。さらに歯はよほど痛くなければ放置しがちになります。なのでしっかりと毎日の歯磨きはもちろん虫歯がなくても3ヶ月に1度は歯科でチェックしてクリーニングを受けたほうがいいのです。
みなさんも自分に時間が持てるようになってから、やっぱり歯科で検診を受けておけばよかったと後悔するのでなく若いうちからなんともなくても3ヶ月に1度は歯科医院で検診を受ける習慣を作ってみたほうがいいと思います。
呼吸、食事、会話で歯やお口は24時間365日使う大切なものです。歯を失う原因の70%は虫歯と歯周病なのでしっかりとした定期検診で防ぐことが出来ます。
歯を失う原因は虫歯よりも歯周病のほうが多い
歯周病とは40歳以上の80%がかかっていると言われる感染症です。歯と歯茎の間にプラークが溜まって細菌が増えると歯茎に出血や腫れなどの炎症が起こり、やがて歯を支える骨を溶かして歯を失う原因になります。
様々な原因が関わる中で最も大きな原因はお口の汚れ、つまりプラーク(歯垢)です。 実は歯を失う原因は虫歯よりも歯周病の方が多いのです。20代30代の若年者は虫歯で歯を失う割合が高いのですが、50代以降では歯周病が原因で歯を抜く割合が逆転します。
つまり歯周病の予防をすることが歯を残す最大の秘訣ということになるのです。自分自身の毎日のセルフケアはもちろん大切ですが3ヶ月に1度のプロフェッショナルのクリーニングを受ける事で歯を残す確率がグッと高くなります。
日本の予防の有名な先生である山形県酒田市の熊谷先生によると、定期検診を受けた人と治療だけ受けた人では80歳の時の歯の本数に倍以上の差があるといいます。 具体的に言うと、定期検診を受けた人は残存歯数が80歳では15.7本であったのに対し、治療だけを受けた人は80歳ではなんと6.8本だったのです。 さらに50代までは定期検診を受けている人と治療だけを受けている人も残存歯数に大きな差はありませんでしたが60代から差が開いてきました。
若くて抵抗力があるうちは歯周病もあまり進行しませんが抵抗力が落ちてくると歯周病が一気に進行してくるのです。若いうちの定期検診を受けるという地道な努力が20年後30年後に歯が残っていてなんでもよく噛めるというリターンになるのです。
歯周病の原因バイオフィルムを取り除け
歯周病の原因となるのがプラーク(歯垢)ですがこのプラーク同士が結びついてネバネバしたものをバイオフィルムといいます。このバイオフォルムは最近同士のネットワークです。結びついてしまうと歯ブラシでも取り除くのが難しくなり歯周病や虫歯の大きな原因となります。
バイオフィルムというと専門用語で難しそうですがお風呂や台所の四隅でヌルヌルしてる部分ってありますよね。あれもバイオフィルムなんですよ。バクテリアの集合体です。バイオフィルムを形成すると薬剤なども効きにくくなります。バイオフィルムの破壊方法は機会的除去です。でも歯ブラシでは取り除けないんですね。専用のゴムチップで研磨剤をつけて歯を磨かないといけません。これをPMTCといいます。このPMTCこそが歯周病や虫歯予防にとってとても大切です。
歯科医院での定期検診で歯石と一緒にこのPMTCをすることがとても有意義なことなのです。名古屋市緑区の左京山歯科クリニックでは検診の際に歯石をとりPMTCも行いコンクールという洗口剤でゆすぎます。するとお口の中もとてもスッキリして効果バツグン。さらに仕上げにMIペーストというリカルデントを含んだペーストを歯に塗ってミネラル補給をしておしまいです。この検診を3ヶ月に1度程度行うことが重要になってきます。バイオフィルムは3〜4ヶ月で形成されると言われてるので検診の間隔は約3ヶ月がベストでしょう。
歯科の定期検診を受けると医療費が減る!?
愛知県も事業所検診という制度があります。企業が社員の検診を歯科医院に1年に1〜2回程度委託する制度です。なぜ企業は検診代を負担してまでも検診に行ってもらうのでしょうか??それは検診代を負担したとしても虫歯や歯周病などの病気にならない方が、またなったとしても早期発見して早く治療したほうが医療費がかからないからなのです。つまり大きな企業ほどしっかりと検診に行って医療費を下げに行ってるのです。
さらに歯科検診を定期的に受けていて歯の本数がたくさん残ってる人のほうが医科の医療費も少ないというデータもあります。つまり歯が残ってる本数が多い人ほどしっかり食事もできて健康を維持しさらに歯が多い人は認知症にもかかりにくいと言うこともあり病気にかかりにくいといいます。
藤田医科大学でも病院の入院患者さんの肺炎予防に予防接種だけでなくオーラルケア、つまり口腔内をきれいにすることでの肺炎予防に力を入れているのです。 口腔が健康ということは全身の健康にも繋がります。厚生労働省も歯周病の継続管理つまり検診にSPTという項目を加え力を入れています。検診を受けることで歯科の医療費のみならず医科の医療費も少なくなるといういい事ずくめなのです。
まとめ
どうですか??ここまで説明を聞いたら検診に行かない理由はありませんよね。歯科医院で検診とクリーニングを受ける事はメリットしかありません。さらに3割負担であれば約3千円程度でクリーニングや検診が受けれます。
皆さんは髪の毛、つまり美容院にはいくらかけていますか??女性であれば1ヶ月に1度程度行く方もいるかも知れません。最低でも3ヶ月に1度は美容院には行きますよね。しかも1回最低でも5千円以上はかかると思います。女性でカラーやトリートメントをしたら1万円は超えますよね。
歯科医院にもそこまで費用をかけろとは言いませんが髪の毛も大事ですが口の中や歯も本当に大切な器官です。まだまだ日本の方は痛くなったら歯科医院に行くという方が大半です。しかし痛くない時に検診クリーニングのために定期的に歯科医院に行くというライフスタイルに変えてもらえれば虫歯や歯周病はぐっと減ります。
あなたも後悔する前にぜひ定期的に歯科健診を受けましょう。歯はなくなってからでは遅いのです。いつまでも美しい笑顔でいるためにも3ヶ月に1度は歯科医院でクリーニングを受けてみてはいかがですか??